悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

昭和史 半藤一利

歴史を学校で学んだだけでは知り得ないことをこの本を読んで感じる。
歴史は語られるものによって印象は大きく変わるが、おおまかな流れを今一度再確認するにはもってこいの本である。
幕末史を読み、この本を読んだ。
幕末史はどこか歴史小説のような遠いことという気がするが、昭和史になると、昭和生まれの者にとってはぐっと近い感覚がある。
ワタシはもちろん戦後生まれだが、親の世代は貧しい戦中、戦後である。
親の世代の話はよく聞いた世代だ。
にも関わらず、昭和の歴史についてはあまりに知らなさすぎると思う。
中学、高校と歴史をそれなりに学びはしているが、学校では詳しくは教えてくれない。特に近代史は時間がないこともあってあまり触れられない。
コロコロと変わる内閣の名前を覚えるのに必至であり、何をしたのか、どういう流れであったのかという大きな枠組すらあまり記憶に無い。
歳もとり、人生の中でのすぎゆく時間というのを少しは感じることができる用になった今、こういう本を手にとって、そこから感じ取ることにこそ大きな意味があるように思う。
この本の最後に描かれている「それにしても何とアホな戦争をしたものか」という文章がすべてを語っている。
アホな戦争ほど割にあわないものはない。
戦争を避ける努力をしてこなかった。

日本の国内にも平和が続きすぎたのか、過激な意見がかなり多くなってきているが、そういう人たちにこそ、今一度昭和の歴史を思い返し、どうすべきか熟考する必要があるだろうと思う。

作者は40年サイクルで日本の近代史は大きなうねりを迎えるという主張をしている。
確かに明治維新から40年で日本は近代国家になり、驕り高ぶって先進国と対峙し、無謀な太平洋戦争へと進み、没落するまでがまた40年。
そして戦後からバブル経済までの復興が40年というサイクルである。(この昭和市の戦後復興の部分はまだ読んでいない。買わないと…)
となると次の40年、バブル崩壊後の40年は2025年が底。
今は下降期で下がる一方ということか。



昭和史-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史-1945 (平凡社ライブラリー)

Copyright ©悪魔の尻尾 All rights reserved.