悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ワールドカップ準決勝

ブラジルは敗退。結果は知っていたが、あらためて録画を見たらびっくりの内容であった。
得点差もひどい。1-7というのはもはやサッカーの試合の点数ではない。
今回試合は長く語り継がれることだろうと思う。苦い記憶として。
まさにブラジルにとっては惨劇だった。
もともと王国復活という名目で地元開催に優勝で華を添える、というのがブラジルにとってもっともよいシナリオ。
しかしスポーツは筋書きのないドラマ。思い通りには行かない。
そして今回のブラジル代表チームは前評判通り強くない。
やはり歴代代表チームと比べて相当実力がないということがわかってしまった。
コロンビアに勝ったブラジルはやっぱり強いと思っていたが、勘違いだったのか?
考えてみれば、グループリーグトップで突破したものの、決して圧勝という勝ち方ではなかった。
攻めるのはネイマールの個人技頼みという感じが強く、守備もチアゴ・シウバダビド・ルイスという強力なCBがいるから。
チームとして機能ということに関してはドイツには遠くおよばなかった。
ましてやネイマールの負傷、チアゴ・シウバの出場停止で試合前から不安視されていた。
攻撃に関しては決め手がないので枚数で攻撃をする。そして不発に終わってカウンターを食らう。
この繰り返しによる大量失点である。
本来今回のブラジルチームは固く引いて守ってカウンターというのが持ち味のはず。
全員が攻め上がって攻撃するというチームではない。パスサッカーをするチームではあるまい。
今回の大会でパスサッカーをして結果を残しているのはチリやメキシコくらいではないか。
ドイツやオランダも決してパスサッカーではなく、まず守備ありきで失点をしないことを第一としている。
勝たなければいけないプレッシャーと決め手を欠く状態で、早い時間の失点。悪いことが重なっての大量失点だとは思うが、内容はひどすぎるものであった。
中心人物を欠いていればいくら王国ブラジルといえども、並のチーム。あるいは並のチーム以下だったのかもしれない。
ブラジルのスコラーリ監督は無策であった。もともと攻撃に関しては特に決め手のない人で、攻撃に関しては本人の才能によるものという考え方の人である。
それにしてもこれだけの大量失点をしてしまうのはやっぱりどうかしている。

さてもうひとつのグループはオランダとアルゼンチン。
オランダは決勝トーナメント初戦のメキシコ戦がまさに薄氷を踏むような勝利だった。
そして今大会大躍進したコスタリカとはスコアレスのPK戦での勝利。
一方アルゼンチンはスイス戦、ベルギー戦ともに1-0という地味なし合いながらも確実に勝利していく。
ベルギー戦は生で見たが、メッシが圧倒的に動かないというのがわかる。試合通じて8キロほどしか走らないフィールドプレイヤー。しかし存在感は大きく、ボールに絡むと決定機を作り出す可能性が非常に高い。
オランダvsアルゼンチンの試合の録画を見た。
渋い試合。見ていても楽しいという試合ではなくしんどい試合。延長120分で決着がつかず、PK戦である。
しかし、これこそがワールドカップなのかもしれない。またグループリーグではなく、1度負ければ終わりというトーナメントならではの戦い方なのだろう。
メッシは運動量が少ないが、存在自体が大きい。彼がボールを持つとディフェンダーを引きつけスペースを作ることができる。
攻撃の選手、ディ・マリアが怪我で抜けたため、アルゼンチンもメッシ頼みだが、イグアインも元気だし、アグエロもいる。攻撃力は侮れない。
しかしこの大会を通じて思うのは守備力。前評判では守備の評価は高くなかったが、非常に組織だった守備を披露している。
特にオランダ戦ではロッベンを封じたマスチェラーノが素晴らしかった。運動量も多く、まさにアルゼンチンの心臓のような選手。

後、残すところは決勝戦のみ。3位決定戦もあるが。
高いレベルでチームとして機能しているドイツ。守備的にも攻撃的にも隙がなく、どういう試合展開になっても大きなほころびは出そうにない。
一方固い守備とメッシ頼みのアルゼンチン。メッシがその類まれなる才能を発揮してドイツを打ち破るのか、それとも総合力でまさるドイツが勝つのか楽しみである。

Copyright ©悪魔の尻尾 All rights reserved.