悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

エリジウム

DVDレンタルにて
私が前から見たいと思っていた作品。
女房と息子はあまり気乗りしなかったようだが、見たがっていたことを覚えていたのかTSUTAYAで借りてきてくれた。
女房と息子と私で一緒に見に行った映画「オブリビオン」があまりにもおもしろくなかったので、タイトル的に同じような匂いがしたのか気乗りしなかったようである。
私は全くそんな気持ちはしていなかった。
あとで知ったことだが、「第9地区」という映画の監督の作品らしい。「第9地区」は息子とDVDで見たのだが、結構面白かったのに、女房は「エビ人間」ということを小耳に挟んだだけで毛嫌いしていいた。
今回の映画もふたりともいい加減に見ていたようだが、段々とのめり込み、最期は結構面白かったとのこと。
ストーリーはわかりやすく、展開も早い。後味もそんなに悪くない。
未来の話で人類のうちの一部の富裕層が地球から離れた楽園「エリジウム」で快適な生活をしている。そして地上では貧民が極悪な環境の中でひしめき合って生きている。
貧しくても皆で支えあいながら生きているのならともかく、楽園の住民のために搾取され続けている。一部のエリジウム市民のために、多くの人が搾取されているわけだ。
地上で働く人は犯罪に走るか、まじめに生きて惨めに死んでいくかどちらかである。エリジウムではAndroidは召使だが、地上ではエリジウムの金持ちたちの命令を受けたAndroidは生身の人間を支配している。惨めすぎる。
地球での労働者環境は最悪。ブラック企業なんてもんじゃない。そのブラック企業の代表者の役者がなかなか冷たさが前面に出ていて良かった。その上前を行くエリジウムの防衛長官がジョディ・フォスター。彼女のことだからきっと良い役?なんて期待は裏切られる。最悪の人物。
エリジウムでは選ばれた市民のみがここでの生活を許される。そして地上から不法に潜り込もうとすることは一切許されない。そのためには手荒な真似も行う。それを行っているのが防衛長官の役割。
主人公のマット・デイモンは存在感はあるけれど、この映画においては悪者たちのほうが存在感が強かった。地上の闇のエージェントのおっさんが特に異彩を放っていた。
主人公と話が合うのか?結託してエリジウムの人間たちに立ち向かうのか?と思ったが、ただの悪党だった。ひねりはなかった。


結局誰が悪いということではなく、この差別に満ちた世界が悪いということになるのか。

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