悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

清州会議 三谷幸喜

映画は見ていない。
そもそも邦画はあまり興味が無い方である。
邦画はお金がかかっていない。それよりもキャスティングからして事務所のゴリ押しやらスポンサーからの強いプッシュやらで誰のための映画なのかよくわからないという作品が多すぎる。
お金がかかっていなくて、脚本や構成にもひねりがないと慣れば見る値打ちがない。
昨年見た「桐島、部活やめるってよ」はよかった。こんな映画もあるんだと思う。
金はかかっていない。これといったひねりはないが何度も見た。そしてそのたびに楽しめた。
ストーリーをわかっていても細部まで再度見なおしてみたいと思うような映画だった。

話はそれた。
三谷幸喜の清州会議という本を読んだ。
映画でも話題になっていたが、歴史的に非常に有名なイベントである。だいたいのことは色んな本で読んでいて知っているが、こうやって現代語訳?という奇手を使ってお笑い寸劇に仕立てあげたところに三谷幸喜らしさが出ている。
ともあれ、本を読んだら映画も見たくなった。映画館に行ってまで見るようなものではないだろうが、DVDでも借りて見ようと思う。

清須会議は信長が本能寺の変で倒れ、明智光秀中国大返しの秀吉に討たれた後、信長の後継者選び、および信長、光秀らの旧領の再配分を決めるための会議である。
すでに織田家は天下に王手をかけ、日本統一まで時間の問題であった。
信長については色んな意見があるが、民衆からは嫌われていたわけではなく、むしろ強い大将が現れ、見苦しい乱世に終止符を打つことを望んでいたのではないかと思う。
なので明智光秀が民衆の希望であった信長を討ったことを歓迎せず、乱世に逆戻りすることを恐れたのではないか。
結局歴史は秀吉に味方するが、それは今までの武士ではなく新しい世の中をつくり上げる人物を時代が望んでいたためではないかと思う。(と多くの人が語っているし、そのとおりだと思う)

さて、この日本一巨大な規模の武家の頭領の後継者選びとなる清須会議だが、それを面白おかしく現代風な言い草で笑い飛ばしてしまうところが面白い。
そして描かれる人物像は歴史家たちの描く姿とは違ってはいるが、概ねこんなものだろうと思う。

冒頭の信長の死のシーンからしてお笑い寸劇である。
ひとり語りの芝居が多い。モノローグとして語られるが、それが今風な言葉で本音で語っているところが面白い。ぶっちゃけ〜と思うんだよね〜というノリである。
歴史が好きな人には許せないかもしれないが、歴史好きな人も嫌いな人も一度読めば良いと思う。
私はこの本は借りて読んだ。数時間あれば読める。案外短く読みやすい。
買ってまで読む値打ちがあるかどうかはともかく、面白くて楽しめるのでおすすめだ。


清須会議 (幻冬舎文庫)

清須会議 (幻冬舎文庫)

DVDでも借りて見ようと書いたが、DVDはまだ出ていないんだな。
まあ、待っていれば直にでるだろう。楽しみ

Copyright ©悪魔の尻尾 All rights reserved.