悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ポストPCのデジモノ

ポストPCという言葉が出て久しいが、相変わらずビジネスではパソコンから切り離すことができない。
一方家庭ではすでにパソコンから離れてしまっているところもあるのではないかと思う。
iPadを買ってから、立派なデスクトップパソコンを自作している人でも電源をいれる機会が減ったとか聞く。
またパソコンは不要ということで持っていなかったところもスマートフォンタブレットはあるという家庭もあるかもしれない。

大量の文書を処理(閲覧)して、あるいは作成、編集するにはまだまだパソコンが主役だろうと思う。
閲覧に関してはタブレットは非常に優秀だと思う。感覚的な操作でスラスラと読める。メールを見るだけなら本当に快適だろう。
PCを起動してという手間が省けてカジュアルに見ることができる。
しかしいざ見たメールに返信するとなると文字入力が必要だし、添付ファイルがあるとそれらを見る必要もある。
まだまだなんだろうなあと思う。
仕事で使うアプリケーションは専用のものはともかく、Office系の物が多い。とりあえずExcel。これがないと何もできないという職場は多いと思う。
タブレットではまだその辺りが圧倒的に弱い。Office関係のものも全くないわけではないが、閲覧に向いているデバイスということもあって閲覧は可能だが、編集するのは大変だろう。

事務所で外に出ない人はこれからもしばらくはデスクトップパソコンが道具としては使われるだろう。日本の独特に事情でデスクトップ代替の大型ノートパソコンを使っているところも少なくない。正直なところ、片付けられるというメリットと、モニター+PCの費用よりも良いところはない。大型ノートパソコンは画面こそ見やすいが、本体が大きくて、モニター+キーボード+マウスよりも結構じゃまになる。しかも大型ノートパソコンでもほぼマウスは接続されているし。
事務所が主戦場ではなく、顧客のところへ行ったり、出張が多い人、あるいは職場でも頻繁にあちこちの部署に移動しなければいけない人などはメインパソコンがモバイルノート。あらゆる業務連絡がメールで入り、顧客のリストなんかもそちらにあったり、作業中のファイルが有ったり、何かと大変だと思う。しかも仕事のパートナーとして常に持ち歩く必要があり、大きなパソコンを持つ訳にはいかない。もっと軽く、もっと小さくというのがこういう方たちの共通の思いである。
モバイルパソコンといっても圧倒的に閲覧ばかりで、資料を作ることがほぼない人なら高性能なモバイルパソコンは不要かもしれない。バッテリーの持ち時間や価格、トラブルに遭遇する可能性でもタブレットが有利な気がする。何よりも圧倒的な携帯性である。ノートパソコンは軽くて良い物も増えてきたが、タブレットほどは軽くない。ACアダプタなども持ち運ぶなら尚更である。





今も大型コンピューター+端末というシステムの会社もまだあると思う。ドンドンパソコン、PCサーバーという風に沖川って入ると思うが、業種によって様々な使われ方があるだろう。そういう大型コンピューターを導入しているところでもパソコンは併設されていると思う。やはり汎用性があり、業務内の連絡をEメールで行なっているのが多いと思う。


私が就職した時代はまだパソコンが普及していなかった。事務部という部署がメインコンピューターのメンテナンスを行なって、各職場の端末は専用機なのでほとんどメンテナンスフリーという感じ。一人1台のパソコンなんてものはなく、各部署にEメール用のパソコン(UNIX系だったかな?新人にはほとんど触らせてもらえなかったような気が…そんな間もないし)があった。使えないツールだったような気がする。
パソコンはPC9801が普及しだした頃である。ワープロソフトは一太郎表計算はLotus1-2-3という定番があった。タッチタイピング出来る人はかなり特殊な人でキーボードも五十音順という特殊なものもあったり、親指シフトキーボードなんかもあった。とりあえずパソコンもバラバラでソフトもパソコンに合わせて買わないと動かない。


パソコンよりもワープロのほうが一般家庭には多かったと思う。そもそも職場の上司もワープロ購入を薦めてきたくらいだ。まあ、当時すでに持っていたが、とても使えたものではない。「美文書時代」なんて言葉があって、手書きの汚い文字を綺麗な活字にしましょうというくらいの認識だった。多くの人がそれくらいの使い道しか見いだせていなかった。出来る人はテンプレートを作って保存し、それを編集して印刷するという工夫くらいはしていたが。
ワープロにもデスクトップ型のようなものもあったと思う。CRTモニターと本体、プリンターが別々になっている高価なものだ。一般的なものではない。よく売られていたのは今のノートパソコンよりもはるかに大きくて重いものだが、本体の後部にプリンター部分があり、印刷機能も兼ねているものである。ほとんどのものが熱転写プリンタで、高価なインクリボンをケチって感熱紙を利用することもあった。インクジェットのものもワープロ時代の後期には出ていた。
初期時代のワープロは文字を打ってもレイアウトを確認するのが難しかった。液晶部分が1行しかなく、入力した文字を変換して漢字が間違っていないか確かめる程度だったのである。なので「美文書」にするためのレイアウトはかなりセンスが必要だった。1ページ30行で設定しているとすると、今何行目を書いているのか考えつつ改行をしたり省いたりとか・・・。



話がまたしてもお大幅にそれてしまった。時代とともに道具は変わっていくということである。
電子手帳なんかも使いものにならない時代があり、そちらから発展するのではなく、携帯電話が進化したというか、携帯オーディオプレイヤーが発展したiPhoneスマートフォンという商品を定着させ、それによって電子手帳のような機能が発達して今の状況にあると思う。スマートフォン革命というか、iPodiPhoneと発展してきた商品はいろいろなものを変えてしまった。恐るべき商品だと思う。
先ほどの電子手帳もそうだが、携帯電話もガラケーと言われる日本独特の携帯電話をほぼ絶滅に追いやってしまった。コンパクトデジカメや携帯音楽プレーヤーもドンドン取り込まれてしまっているのだろう。そしてスマートフォンから発展したタブレットPCがノートパソコンからどんどん市場を奪っていっている状況。普及が進めば、ユーザーが使い方の提案をしてくる。そして使い方が変われば、今までの商品というものは新たな機能や付加価値がなければ、追いやられる可能性がある。

専用の商品には性能的には及ばないが、手軽さ便利さならではの使い方がある。
デジカメと比べると性能は落ちるスマートフォンのカメラだが、撮影して即座に送ることができる。SNSですぐにコメントも付けられる。パソコン時代よりもTwitterFacebookなどのSNSが進化したのは紛れもなくiPhoneなどスマートフォンがあればこそ。デジカメで撮影して、パソコンに取り込んで、インターネットにアクセスして投稿するという手間から見れば圧倒的な使い勝手の良さである。DOS時代に文書に写真を貼り付ける苦労をWindows時代になってクリップボード経由で一発で貼り付けられる感動から見ればまだ物足りない気もするが、可能性はまだまだ秘めている。パソコンもハード、ソフトともに進化はしているが、Wintel支配のまま安穏としすぎたのかもしれない。いらない高機能化、複雑化しすぎたためか、感覚的に使えるスマホタブレットに魅力を感じる人は多いと思う。

文書の編集という点ではまだまだとは思う。しかしそれはあくまでキーボードでの入力ということに関して…。今後、音声入力や新たな文字入力デバイスが考案されるようになればどうなることか。(まあ、現状でもタブレットにキーボードを付けることは可能だが)

スマホタブレットが最終形態ではない。それ以上に人々に受け入れられるツールが出てくるかもしれない。

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