悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ライフ・オブ・パイ

息子と女房は劇場で見てきたらしいが、私はまだ見ていないのでブルーレイをツタヤで借りてきて見た。
ぜひブルーレイで見るのがよいと言われていたが、確かにブルーレイの美しい映像をふんだんに楽しめる作品になっている。
ストーリーは考えれば考えるほど奥が深い。宗教的な一面もあるのかもしれないと思ってしまう。
ラストの方の日本の保険会社がパイ少年のもとに来て遭難事故の原因や経緯を調査するが、ありえない話と一蹴する。
現実味のある話を言え、と言われて話を変えて伝えるが、その話も現実味があるとも思えず。実はそっちが真実なのかもと思わせぶりなところなどなんとも深い。
途中で発見した誰も見たことのない、ミーアキャットだらけの島。この島の形が人間が横たわった形だったのも何かの象徴なのだろう。ほんとうにその辺りを色々考えると奥が深い。
単純にストーリーの表面だけを追っていても決してつまらない映画ではない。何よりも素晴らしいのは絵が綺麗なこと。海のシーン、特に夜の海のシーンなどはまるでラッセンの絵画みたいだと思わず唸ってしまう。
夕焼けが静かな水面に映し出されるシーンもすごく綺麗である。
そしてトラを始めとした動物たちのCGので気が素晴らしい。実写のトラも使っているようだが、全く見分けがつかない。
船が沈没する嵐のシーン。遭難した後に嵐に遭遇するシーンなど迫力も十分で見ているだけで楽しめる映画である。
日本ではそれほどヒットしなかったようだが、4年もの歳月をかけて撮影したというだけあって大作である。日本映画でもこれくらいスケールの大きな映画を作って貰いたい。無理だろうけど。

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