悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ヒューゴの不思議な発明

子供映画でどのようなものかと思っていたが、子供映画ではなく十分大人向けの物語である。
結構長い映画でストーリーも大味ではなく細やかなもの、別の言い方をするならそれほど起伏がない物語である。
映画製作の初期の頃に活躍したジョルジュ・メリエスという人の人生にスポットを当てた作品。

戦争をさかいに映画を見てもらえなくなり、心を閉ざしたジョルジュ。ジョルジュは元手品師で機械いじりが好きな人物だった。映画の世界から足を洗い、フィルムなど映画に関するものはすべて廃棄し、精巧な機械人形も手放す。博物館に預けられるはずの機械人形がヒューゴ少年の父親の手に渡り、それを修理して動かそうとした矢先に事故死。ヒューゴは酒飲みのおじさんに引き取られ、駅の構内の時計台の中に住み着くことになり、父の遺志をついで修理に精を出す。
ヒューゴは部品を手に入れるために駅の構内に構えるジョルジュの店からおもちゃの部品を盗む。そして捕まり、ポケットの中にあったメモを見られる。メモには機械人形にまつわる記載があった。メモを奪われたヒューゴだが、ジョルジュの養子となっていたイザベルの協力を得て、機械人形を動かすことに成功する。その機械人形が描いた絵をジョルジュが見る。ジュルジュの映画の熱狂的なファンである教授がジョルジュを訪れ、心を閉ざしていたジョルジュは救われる。

とても不思議な作品だった。好きな人と嫌いな人と評価は別れるところである。
子役二人の演技が素晴らしすぎる。この二人の演技を見ると日本の子役はまだまだだと思ってしまう。
そして父親役のジュード・ロウの出番がほとんど最初だけ。もったいないというかなんというか。日本で言うところだと友情出演レベル。
足を怪我してギブスをつけているが、そのことが心を閉ざしている鉄道公安官が良い味を出している。はじめ見た時からエンディングで足を直してもらうのではと思っていたが、そのとおりになってよかった。
クリストファー・リーが演じる図書館の人もやはり存在感がすごい。見ているだけで怖い存在だが、そういう伏線はなし。
ジョニー・デップがプロヂューサーとしてエンディングのスタッフロールに名前を連ねているが、映画には出ていなかった。どういうところにジョニー・デップらしさがあったのか全く不明。
とりあえず豪華キャストでマーティン・スコセッシという有名な監督の作品。さぞ大作を期待していると肩すかしかもしれないが、じっくりと味わう価値のある作品だと思う。

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