悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

遊星からの物体X ファーストコンタクト

カート・ラッセル主演の「遊星からの物体X」は何度も見た。学生時代の友人から勧められて見て、なんともおぞましい、そしてなんとも深い人間の心理を描いているので面白い映画だった。
1982年の「遊星からの物体X」の前にモノクロ映画の低予算映画「遊星よりの物体X」というのがあったらしい。そちらは見ていないが、やはりSFホラー作品の名作といえるだろう。
1982年の作品は当時の特撮としてはよくできていて、なんとも怖くておぞましい造形だった。心理描写も素晴らしくて怖さを強調していた。
今回の作品は前作の前の数日間の話を描いたものである。内容は前作を見ていれば全く違和感なく見れる。というよりも前作を見ていれば怖さが半減。どういうものかわかっているので意外性もない。そして造形はエグいが怖さはあまりない。なぜだろうか?やはり内容を知ってしまっているということが大きいと思う。そして人間が人間を疑うという心理描写が少し物足りないのである。
前作では物体はまず犬に寄生した。あの犬の変身シーンはなんとも言えない程の衝撃があった。それ以外にも人間同士で疑いあう部分も良かった。誰が感染しているかを調べるテストも今回は拍子抜けである。前回は熱した銅線を血液に当てるということをしていたが、今回は歯に詰め物があるかどうかというテスト。なんだか物足りない。

それに前回作品は女性がいなかった。極限生活環境である南極。そこに女性の姿はやはり似合わないと思う。そういう意味でのリアリティもなかった。

エンディングで前作のオープニングが出てくるので、懐かしい気持ちで見ていた。そこで初めて前作の前の数日の話だということがわかったのだが…。

遊星からの物体X ファーストコンタクト [DVD]

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遊星からの物体X

遊星からの物体X

この作品は素晴らしい。今の時代であっても見たことのない人には新鮮な気持ちで見れると思う。もちろんこのような映像に対する耐性がある程度ある人に限るが。

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