悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

プロメテウス

公開前は非常に話題作。そして公開とともに批判の嵐、と言うよりも評価が難しいというか、駄作とされたなんとも不可解な映画。
BDレンタル。
リドリー・スコットの第1作目のエイリアンを見た人であれば、すんなりと見れるのではないか。しかし、この映画をいきなり見た人は何もわからないということになりかねない。そんな印象。とりあえず説明不足すぎるので何がどうなっているのかわからないというシーンが延々と続く。
人類の起源を探る?と言いつつ、巨額の費用をつぎ込んで宇宙の僻地まで来た理由はやはり一人の金持ちの生への執着である。人間はいずれ死ぬ。それを自覚する必要があるが、成功者は死を何よりも恐れるものであると改めて感じる。ここにも老害が。
それにしてもエイリアンの孵化のシーンは最初トラウマになるほどの衝撃を受けた。もう慣れてきたのでそれほどエグくは感じなかったが、あまり押さない子供は見ないほうがいいのではないか?見ていても楽しいシーンもなく、理解もできないと思う。
アンドロイドの登場と一人の勇敢な女性という構図もオリジナルのエイリアンのパクリでは?と思ってしまう。登場してきたのはエイリアンではないが、同じような生物である。体液が酸であるところも同じ。そして人類の創造主という巨人も何やら気味が悪い。彼とエイリアンもどきが融合してあのエイリアンになったのだとラストシーンで知らされる。そのあたりは終盤の展開である程度読めた。
主人公が誰か全く読めない状態だったが、妊娠できない女性がエイリアンの子供を宿した時点で主人公、そして彼女が生き残るのではないかという気がしていた。そのとおり。それにしても強い。自らの肉体の危機を感じて自ら開腹手術で胎児(エイリアンもどき)を取り除く。縫合手術をすぐに済ませて、休養もなくすぐに任務に戻るという、まさに彼女こそスーパーヒーローばりの超人である。
彼女の生んだ胎児は簡単には死なず、創造主とされる巨人にも追いかけられる。絶体絶命である。エイリアンの幼体はすでに大きく成長しとても戦えない。巨人も人間では太刀打ち出来ないのである。主人公は機転を利かせて彼らを争わせて、逃げるという寸法である。展開は読める。

それほど悪い映画ではないが、やはり構想がぶっ飛んでいるので、前段階でエイリアンの知識がない人は厳しい。面白さもわからないと思う。

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