悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

楊令伝九 北方謙三

巻頭の題字はついに童貫である。そしてこの巻は童貫との本格決戦の部分である。もっと引き伸ばすのかと思いきやこの9巻の半ばで童貫は討たれ梁山泊領内に深く入り込んでいた禁軍は撤退する。
ついにあの童貫を梁山泊は討ち果たした。童貫は討たれても禁軍は残っていたはずだが、ほぼ壊滅状態になる。やはり童貫なくしては禁軍は存在し得ないということかもしれない。No2の趙安が討たれ、名だたる将軍たちが討たれて、残る大物は趙安の代わりに北方の抑えに回っていた李明のみ。その李明が長駆してせめてきた金の軍隊を殲滅戦とばかりに彼らの糧道を絶つ。しかしそこに紛れて伏兵を配置した梁山泊にあっけなく討たれてしまう。
禁軍があればこその宋だが、朽ちた気が倒れるように混乱に陥る。もはや宋禁軍は存在しないような状態になった。
禁軍を倒した後は少し虚無になった感があったが、新しい国造りのために忙しくなってきた。しかし読者の方も童貫との戦いを終えてからは燃え尽きた感が拭えず、グダグダしている気もする。


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