宋禁軍の北の燕京十六州と南方の方臘による宗教動乱が片付き、本格的に梁山泊との決戦に入る。まだ前哨戦という段階だが緊張感のある戦い。
宋は禁軍の元帥である童貫がもちろん中心だが、No.2の趙安も重症なポジション。軍人としてお互い敬意を持っている呼延灼との読み合いもなかなか面白い。
そして若いながらもあらゆる経験を積んできたスーパーな人物の主人公楊令とまさに軍人として稀代の才能をもつ童貫との戦いが凡人には計り知れない思いをお互い持って戦っていく。
童貫の付き人ながら麾下の精鋭を任される若き指揮官の岳飛も色々な思いを胸に秘めている。
この巻では青蓮寺の動きはほとんどなく、聞煥章の雇われていた呂英が趙安に近づく。今後はどういう働きで絡んでくるのか。政治的な動きもあまりないが、栄耀栄華を誇った高俅が哀れな乞食となって生きていく様が印象的でもある。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/12/15
- メディア: 文庫
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追記
この巻の最後の方の戦いで、宋禁軍のナンバー2の趙安が戦死。そして呼延灼も戦死する。第6巻の聞煥章といい、これからは続々となくなっていくような気配。