悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

Windows8 売れないと思う

Windows8がいよいよ今月の26日に発売される。多くの人が今後触ることがあると思うが、インターフェースが大きく変わり、タブレットの操作をかなり意識した作りになっているらしい。そのあたりは私も少し触る機会があったのでそう感じるところは多い。
ただパソコンである。パソコンのOSである。キーボードとマウスが普及して既にかなりの年月が経ち、これに変わる入力装置が見つかっていないのが実情である。タッチパネルはAppleが普及させたと思っている。iPhoneiPadは圧倒的な存在感でその楽しさを世界に知らしめた。スマホiPhoneタブレットiPadというくらいの感覚に人も多いと思う。ああいうデバイスにはタッチパネルの操作は向いていたのだろう。目的が違うのだ。ノートパソコンではやはり文字を打ち、アイコンをクリックする操作がやりやすいように進化してきた。高解像度のディスプレイで大きなスプレッドシートを広げて操作する。細かいセルをクリックするのはタッチパネルでは到底できない。マウスが必要である。スマホのように限られた資源で以下に直感的に操作させるかという点でiOSAndroidはほんとうによく考えられていると思う。ノートパソコンの一部のシェアは完全にタブレットに奪われたと言われるし、ノートパソコンを必要としない世代はスマホで十分と考えるようになったとしても無理は無い。そう考えるのは自然だし、あえてノートパソコンを使う必要もないと思う。

さてWindows8である。パソコンのOSを独占している巨大企業で職場のパソコンにWindowsがない企業はないと思われる。Windowsパソコンに触ったことのない人は今やほとんどいないと思う。それくらいに影響力が強い会社が作る基本ソフトがWindowsでその新しいモノがWindows8である。今使っているOS、あるいは以前から使われているOSに不満を感じてはいても機能に不満がある人は案外少ない。というか普通の人はそんなことを気にしていない。パソコンを使う目的は、インターネットの閲覧であったり、メールやSNSであったり、アプリケーションソフトの利用であったりだ。基本ソフトに求めているのはインターフェースなんかではない。安定性と速度である。
セキュリティの観点からは新しいOSのほうが優れているだろう。しかし安定性や慣れ親しんだ操作性は古いOSに完全に軍配が上がる。操作性に関しては特に大きく、今あるモノを改良して出してくれればと思っている人のほうが多いのではないか。

タブレット市場でMicrosoftAppleGoogleが率いるAndroid陣営に大きく水を開けられてしまった。Microsoftがタッチパネル操作の電子ツールに遅れをとったのではない。むしろAppleGoogleよりも早くからタッチパネルを利用した使い方を提案してしたと思う。しかしながらMicrosoftのタッチパネルを使ったものは全く評価されなかった。先進的な感覚がなかったのではなく、一般の人に受け入れられる商品としての体をなしていなかった。技術的にはもちろん素晴らしい会社だろうと思うが、センスという面では本当によくわからないものをこしらえてくる会社だという印象がある。

今回のWindows8も無印とPROを含む通常版とタブレットに特化したRT版がある。RT版なんてものを出すくらいならWindows8をあんないびつなインターフェースにする必要があったのか非常に疑問に思う。慣れ親しんだデスクトップ。そしてスタートボタン。それらを廃止してまで優れたインターフェースとはとても思えない。
シングルスクリーンで使うことを前提にしたWindows。もはやWindowsという製品の意味すらわからなくなっている。


Windows8パソコンは売れない。少なくともWindows8パソコンからWindows7へのダウングレードが凄まじい勢いで起きそうな気がする。
そしてRT版も含めてタブレットは売れない。価格である。まだ出てもいないものにケチを付けるわけではないが、10インチから始まったタブレットも7インチが登場し、それぞれかなりリーズナブルな価格で提供されてきつつある。Windows8タブレットが後発で価格で太刀打ち出来ないのであれば普及の見込みはないと思う。Officeとの親和性?そんなものはRT版も大したことはない。Windowsの一般のソフトが動くわけでもなし、Windows8RT版のソフトがどれくらい登場するのかもわからない状況で形だけ真似て、マイクロソフトが作りましたよ〜、使ってね〜では誰もついてこない。AndroidiOSの半額くらいならともかく…。

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