悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

猿の惑星 創世記ジェネシス

チャールトン・ヘストン主演の名作「猿の惑星」以降、たくさんの作品が作られたシリーズ。たしかTVシリーズもあっったと思う。1作目のラストシーンは衝撃的というか、子供の時に見たのがすごく焼き付いている。多分40年くらい前の映画だ。今のようなCGなんかはとてもなく、サルたちは人間に特殊メイクを施したもの。そのメイキャップも当時としては非常に質が高く、「すごいなあ〜」と感じたものだ。
その名作の前の時代を描いたのが今回の作品。どうして人類は滅亡し、サルたちが地上の支配者になったのか。そういった部分をクローズアップしている映画。たぶん以前のシリーズの中にも人類滅亡の理由などは描かれていたんだろうけど、よくわからない。地上では他の生物と比べて圧倒的なチカラを持っている人間が猿に支配されるというのはどうも納得がいかないという人もいるだろう。この作品を見ればその理由がよく分かる。というのが触れ込みだったようだが、やっぱりよくわからない。まあ、猿を賢くする薬で知能が発達したサルたちというのはわかるが、圧倒的に数の多い人間に勝てるわけがない。ただその新薬(ウイルス)は人間には免疫のないもので、感染すると死んでしまう。それが原因で滅亡したのだろう。そのあたりは詳しくは書かれていないが、何となく分かる。
あらすじは科学者がアルツハイマー病の治療薬を開発しているが、その実験台となった猿が妊娠しており、暴れたため射殺される。その子供も本来は殺処分になるはずだが、その科学者が育てる。非常に高い知能を持っており、人間とともに生活し、成長する。科学者の父親がアルツハイマーで近所迷惑を起こして隣のおっさんに怒られる。それを救いに行った猿が猿であったという理由で弁解の余地なく猿の飼育所に強制送還されてしまう。そこの施設の人間は猿を日常的にいじめており、人間と共生してきた主人公の猿はだんだんと人間不信を強める。科学者が引き取りに来ても拒否してしまう。知的レベルの低い施設のサルたちにこの猿は研究所から持ってきてあった薬品を科学者の自宅から拝借して散布する。賢くなったサルたちを扇動して人間に反旗を翻すというストーリー。人間の滅亡までは描かれてはいない。
この作品を息子と見ようと何度も誘ったのだが、「見ない」の一点張りである。「キングコング」のラストシーンで号泣した息子にとっては猿をいじめたりするシーンは耐え難いようである。キングコングが暴れて被害者が出ているのは笑ってみていたのに、孤立無援でビルの屋上で蜂の巣状態で落下、死亡というシーンは彼にとってはつらい思いでで、二度と見ないと宣言してしまったくらいだ。
ともかくこの映画は前評判はどうだったのかはともかく、非常に良かった。猿は全編フルCG。その分動きは猿そのもので、人間ぽさはない。リアルである。猿にも表情があり、演技をしている。主役の猿はなかなかの芸達者である。もちろんCGなのだが。
スパイダーマンのハリー役(親友のオズボーンコープの息子)であるジェームズ・ブランコ主演。なかなか良かった。ボケ老人を演じた父親役の俳優も味があった。そしてあのハリー・ポッターのマルフォイがこの作品でもいやらしい役どころを好演。猿の保護施設で虐待している役柄。嫌らしい感じはやっぱりハマリ役?

猿の惑星ファンはこれを買うのだろうか。いや、これを全部見るというのも余程の人だろう。私はオリジナルとリメイクをテレビで見た。続編とかは通して見たことがない。テレビで放映していたのをちらりと短時間見たくらい。結構退屈なイメージがある。

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