悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

官僚の責任 古賀茂明

先日読んだ橋下徹氏と堺屋太一氏の共著「体制維新 大阪都
そして今回この「官僚の責任」を読んでいる。まだ読了していないが、大体の流れはわかる。
日本という国が今どういう状態にあるのか、優秀と思われていた官僚とはどういう存在なのかよくわかる。以前から官僚の自己増殖能力にに歯止めをかけないととはずっと言われていたが、彼らはそういう点において極めて優秀であるため、牙城を崩すのはもはや選挙による民衆の力しかない。その点は大阪市長選挙で橋下氏が強く言っていたことでもある。
民主党ももはやかつての輝きは全くないが、あれだけ大勝したのは日本の国の将来を憂う国民の後押しがあったためだと思う。ただ、民主党は烏合の衆であり、素人集団。加えて勉強不足に旧社会党の残党などの非国民的な考え方の方も多くいるようである。まとまりなんてない。
マニフェストなんてもともと期待はしていない。あんなの守れるわけがないとは思っていた。しかしいい加減すぎる鳩山やずうずうしい菅は首相の器ではなかったのも事実。もう少し説明ををきちんと述べて欲しかった。口先だけは立派なことを言って何一つ出来なかった鳩山氏。開き直って官僚に強弁し、官僚から総スカンを食らって身動きの取れなくなった菅。どちらも同しようもないトップであることは確か。
二人の首相以上にどうしようもないのが仙石官房長官だったのかもしれない。民主党議員、大臣の能力のなさはわかっていることだが、当初の方針を180度変えて官僚似いいようにあしらわれるというのは選挙で選んだ国民に対する大きな裏切りである。
現在の野田首相は二人よりもバランス型のようだが、自分のアタマで考えて話をしているとも思えない。作文を読んでいるだけのマリオネットのようなものじゃないか。ましてや国民に支持されて選ばれた人でもない。国民の求心力なんてあるわけがない。国民に対しての説明も全くわからない。
だからといって自民党がいいというわけではない。今の自民党にも官僚を使いこなせる人間はいそうにない。しかも旧自民党の時代とは違う。官僚、公務員を変えて行かないといけない時代に、慣れ合いのことしか出来なかった自民党議員の2世や3世に何ができる?
まあ、民主党議員も2世3世が多いが。

この本を読んで、政権交代や政治主導などでは日本が変わらないことはわかる。仕組みそのものを変えるしかない。そのためには強いリーダーが必要だし、若い改革の意識の高い官僚たち、プロフェッショナルが必要だと思う。意識の高い次の時代は僕らで作っていくんだ!という気概のある優秀な若手、日本の国のために省益などを超えてところで判断できる人材が必要だと思う。官僚は本当によく勉強をした頭のよい人が揃っていることは間違いない。しかしそれは入るまで。入るまでは高い理想を描いている人が多いと信じたい。しかし1年2年と官僚の水を飲むに連れ、泥に染まっていくに違いない。その人間そのものが悪いのではなく、仕組みが悪いのだ。だからこれは変えていかねばならない。
省益>国益と考える役人を変えるには仕組みそのものを変えるしかない。


話は変わる。この本を読むきっかけは冒頭の「体制維新 大阪都」を読んだから。そして選挙の後の橋下氏の記者会見を聞いた。そこで述べられた言葉には自らの言葉で力強い響きがあった。惹きつけるものがあったと感じる。彼自身も言っているように自分は完璧でない。批判もあるだろうし、それも大いに受けると。
橋下氏の改革で「大阪都」と真っ向否定する人がいる。評論家などでもそのような人は多い。森永卓郎などはそのいい例かもしれない。
勉強不足も甚だしい。もしくは何かバイアスがかかってそのような発言をしているのか。それともとことんこき下ろされた腹いせでそういうふうに言っているのか。何れにしてもそんな理由で「独裁者」や「ハシズム」なんていうオヤジギャク並みの語呂合わせで悦に入っている評論家なんて価値は全くない。テレビでの討論においてもしっかりとした答弁でわかりやすく、あの内容を聞いて理解出来ない人間はむしろ馬鹿だと思う。きちんと聞けば何をなそうとしているのかはわかるはず。改革の内容に異論を述べるのは構わない。むしろ批評などを橋下氏自身が求めているくらいだ。ただ、理にかなったいい方法があればそれに乗り換えればいいだけ。だから建設的な意見を求めている。にも関わらず、何でも勝手に決めていくというのは性急すぎるだの、独裁者だの、今までの経緯も踏まえて、段階的になんて言っているのは中身のない議論。本質から外れていたずらに言葉の遊びを弄しているだけにしか見えない。そういう論調の評論家や大学教授の意見などは無駄。その程度のことはだれにでも言えること。まあ、橋下氏の口喧嘩の強さでこてんぱんにやられて腹のたつ気持ちもわかるが、そもそも学者や評論家が自分の専門である分野で建設的な意見の一つも出せない事自体がダメ。存在価値無し。退場して欲しい。国立大学の教授というのならまさに税金泥棒である。


何れにしても改革をしなければお先真っ暗な日本である。先送り先送りしてきた結果がこれである。強いリーダーと若く優秀なブレーンがいれば必ず成し遂げられるはず。改革まで待ったなしである。仕組みを変えてほしい。日本は再び勤勉な国として活力のあるくにとして蘇る。そう信じている。

官僚の責任 (PHP新書)

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