悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

自炊代行

自炊代行業者を作家たちが提訴というニュースがあった。作家たちとすれば自分たちの作品であるものがコピーされることに危惧するのは当たり前だ。こういう業者があれば書籍の価格がコントロールできなくなるというのもわかる。
著作権を保護しないといけないことはわかる。そうしないとそういう創作活動が成り立たず、最終的には創作をする人たちが減少し、そういった不利益はそれらを消費する人々にも直撃する。たしかにそうだ。
ただ、業界が著作権保護に力を入れて色々な仕掛けをするが、結局は成功した試しがない。結局はそういう仕掛けは破られる。そして更に仕掛けを複雑にし、そのたびに不利益を被るのは消費者である。コピーできないようにしているとか、そのために新しい機械を購入させられたり、故障したときに以前のデータが読めなくなったりとか・・・。仕組みの互換性も低く、機種を変更したら購入したデータを利用できないとか消費者を馬鹿にしているとしか思えないようなものもあった。今もあるのかもしれないが、。著作権を守らなければならないというのはわかるが、消費者を守ろうという方向には行かない。この国はいつも業界主導である。まあ、仕方ないことかもしれないが・・・。
デジタルデータはコピーしやすい。そして色々な加工ができる。そういうメリットがある。そうあるべきである。にも関わらず、著作権を守る方向で仕掛けを作ると見るだけしか出来ず、加工したりすることができない。自炊というのは非常に面倒だが、一旦デジタルデータにしてしまえば、業界主導の電子書籍とは違って様々な可能性を感じる。たとえば、引用などでも、本を見てタイピングするのと、デジタルデータの一文をコピーするのとではぜんぜん手間が違う。規格もバラバラ。「本と同じように読めますよ。読むための環境はお客様で用意してくださいね。」というだけ。

とまあ、現在の著作権保護のあり方については非常に不満があるが、自炊代行というのはやっぱりグレーを超えているような気もする。とはいえ自分で自炊しようとも思わない。非常に手間もかかるみたいだし、購入した本をバラバラにするというのはやっぱり気が引ける。
こういう自炊のブームが来る前にフラットヘッドスキャナで本をスキャンしたことがある。やっぱり真ん中の所がうまくスキャンできず、しかも裏写りやモアレなどの調整でほんとうに大変だったと記憶している。フラットヘッドスキャナでもやっぱり裁断してきちんと画像の色調整、傾きの調整などをしないときれいにできない。代わりにやってくれる所があれば、お金を払ってでもやってほしいという人も多くいるだろう。今後の成り行きにも注目したい。

音楽も映像もガチガチに保護を固めた日本はガラパゴスの道を突き進んでいるような気がする。書籍もそうなりそうな気配が濃厚。電子書籍ビジネスの未来はあるのか。

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