悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ブラック・スワン

話題作ということで女房がどうしても見たかったようだ。
映画館にまで見に行かなくてよかった作品だなと思う。ほぼナタリー・ポートマンしか描かれていない映画。
周りの脇役は本当に脇役でしかなく、主人公を引き立てるためだけに存在する。
しかしながら退屈な映画という感じではない。
この作品でナタリー・ポートマンはアイドル女優というイメージから真の演技は女優へと評価されるように。

真面目なバレエダンサーのニナという役柄。幼い頃かなバレエ一筋に取り組み、技術的には申し分ない。ベテランのプリマが引退するにあたり、チャンスが巡ってくる。演目はかの有名な「白鳥の湖」。白鳥と黒鳥を演じ分けるという難題を監督から伝えられるが、白鳥は完璧、しかし課題の黒鳥に必要な妖艶さは足りない。
真面目て神経質な彼女は悩み、徐々に精神的に病んでいく。
有る意味世間知らずで、自分の心をさらけ出すことも出来ず、それは母親に対しても。この母もちょっと異常な感じ。この母によって彼女の性格形成がされたとも思えるが、ところどころに幻想シーンが入るため、はっきりしない部分もある。
母もバレエダンサー。そして妊娠したためにバレーをやめて、彼女を産む。バレエのキャリアはそこで終わる。娘に自分の生き方を映し出し、強要する部分もある。反面そういった母親から離れられず、人間としての成長は中途半端。そのあたりは芸術監督がよく見抜いている。女たらしでやり手の監督。しかし女性に溺れることはなく非常に冷静。ある意味女の敵。
まあ、心のなかの葛藤をエグく表現した映画だが、主人公の精神が弱い。弱すぎる。プリマのみならず、人生を生き抜くだけの力を感じない。
真面目だが天使のような清らかな正確ではなく、親から押し付けられた真面目さ?かも。引退するベテランダンサーに憧れつつも、引退を機会にプリマを射止めるチャンスを逃さなかった点もそう。けっこうしたたか?
オーディションで監督から不合格の烙印を押されると、強引に部屋まで押しかけ抗議するなど、なかなか根性を持った一面もある。が自身をコントロールすることができない。自殺しやすいタイプというのはこういうタイプなんだろうか?

一人の個人の精神状態をずっと追い続けた作品だけに、リアルに感じると共に、バレエのプリマという普通の人にとってあまりに離れた世界故に「あ、そう」というくらいの違和感が入り混じった映画だった。

Copyright ©悪魔の尻尾 All rights reserved.