悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

十三人の刺客

以前の作品は見ていないが、この作品も話題になっていたらしい。
私は基本的に邦画は見ない方だが、今回は女房ともども借りてきてみることにした。話は大体見ていればわかる。細かい点ははっきり言ってうざい。どうでもいい。それにしても悪役の稲垣吾郎の扮する明石藩主は最悪。もはや鬼畜すぎて語るに及ばずってところ。主君に忠義を貫くのが武士ということらしいが、今時こんなの流行らんよって言いたい。主君の過ちを命を賭して諭すのが本当の忠義だと思うが、市村正親扮する鬼頭は大馬鹿者。こんな映画を外国人が見たら、日本人はみんなキチガイだと思ってしまうのでは?

まあ、いい。そいういうことを語るための映画ではない。この映画はラスト50分に及ぶチャンバラがメイン。しかしそれも萎えるんだよなあ。大掛かりな装置をつくってみたものの、敵を撃つための装置になっていないし、中途半端に警戒させてしまっただけで、多くの敵を残したまま、「小細工はここまで。斬って斬って斬りまくれ」だからおかしすぎる。理不尽すぎる。敵を撃つために命を賭してやっている割には訳のわからない男の美学みたいなチャンバラ?意味ないよ。
多くの兵を討つのであれば、落とし穴に誘い込んで爆薬や火攻めだろう。それに狙撃するなら当然鉄砲と思うのだがな。なんでチャンバラ?
尾張領内を通ることはまかりならんと言って鉄砲隊を全面の押し出してきたくらいなんだから、討とうと思えばいつでも討てる相手だと思うんだがな。

武士でない山男の超人ぶりも映画とはいえおかしすぎる。しかも喉を刀で刺されていたと思うが、あのラストシーンに登場するのはどういう意味?精力絶倫を描きたかったのかもしれないが、勢い余って、村長の岸部シローを襲うとか、笑いを誘うつもりかもしれないけれど、あまりにも下劣でこの映画にそぐわない。
役所広司松方弘樹市村正親といった名優が頑張っているのに、おかしな演出がありすぎてもったいない作品。

もっと真面目につくれと言いたい。

前日にロビン・フッドを見た。比べるもんではないとは思うが、比べてしまう。予算の違いか?スケールの違いか?

十三人の刺客 通常版 [DVD]

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