面白いのかどうかちょっと微妙な作品。自我がない男、感情がない人間。それが主人公の鈴木一郎と名乗る脳男である。彼の正体がわかるまでの部分は興味深く面白い。精神科医の鷲谷真理子、巨漢の警部、茶屋などユニークな登場人物が脇を固めるという感じであるが、登場人物もかなり際立っているものの、主人公の「脳男」が際立っているので目立たないのかもしれない。
それにしても登場人物の名前がちょっと変わった名前が多い。変わった名前と変わったキャラクター。しかし最も個性的な主人公の仮の名は「鈴木一郎」というあまりにありふれた名前になっている。
最後にトリックが隠されているものの、エンディングがなんとなく尻すぼみで残念。
続編もあるようだが、読むかどうかはわからないなあ。
- 作者: 首藤瓜於
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/09/12
- メディア: 文庫
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