綾辻行人のデビュー作らしい。
彼の本は読んだことがないが、職場の仲間が貸してくれるというので、読んでみた。
なんとも古風な感じのする推理小説である。
現実にはありえないよなって言うくらい特殊な設定。
変な建物。
無人島。
ミステリー研究会。
こんなへんてこな設定を素直に受け入れられないおっさんだが、読むと引き込まれる。
なぜだろう。
ともあれ、強引とも言えるストーリー、展開。しかしこれが昔ながらの推理小説。
叩けばボロが出てきそうだが、勢いがある。読者に読ませる勢いがある。
映画化不能の作品。
確かに映画にできない。キャストがそのままトリックになっているし。
どうして登場人物がニックネームだったのかが、最後の方になってわかった。
俺って鈍いなあ。
とにかく、面白い作品だ。
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/09
- メディア: 文庫
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ネタバレ・・・
犯人は最初から登場する。
いきなり怪しい。というか怪しすぎるし、どう考えても一番犯人になりやすい立場にいる。
しかし、作品では7人の中で目立たない役回りになっている。
本当に目立たないので、犯人とは思えなくなる。
十角館というからこの建物にトリックがあるのか、と思い込んだら大間違い。
トリックは登場人物にある。そう、彼らはすべて本名はわからない。彼らの間ではみんなニックネーム、
ミステリの大家たちから拝借したニックネームで呼び合う。
ポー、エラリー、ヴァン、アガサ、カー、ルルー、オルツィ、の7名が十角館に合宿に行く。
そこで起こる連続殺人を描いている。
この作品の主人公は犯人なのだが、途中までは事件解決に挑む元ミステリ研究会のメンバー江南が主人公
だった。江南が「かわみなみ」ではなく、「コナン・ドイル」、その親友の守須「もりす」は当然
「モーリス・ルブラン」だと思ったのだが・・・。