悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

ブラックペアン 海堂尊

チームバチスタの栄光海堂尊の作品。
東城大学病院での内容なので、話に継続性があるので以前からの読者にはすんなりと入り込める。
ただし、内容は20年以上前に遡る。バブルの絶頂期。
まだ愚痴外来の田口も血まみれ将軍の速水も医者にすらなっていない。病院長の高階もまだ転勤したばかりの講師という身分である。
主人公は医師免許をとったばかりの世良という人物。総合外科教室には日本を代表する佐伯教授が君臨しており、そこへ新進気鋭の高階が入り込む。外科チームには手術職人といわれる渡海を中心に話は進行する。垣谷はまだ助手であり高階のライバルのおなじみの黒崎助教授もいる。田口、速水、島津という同期3人組が研修生として登場するものの、それはあくまでも読者サービスの域をでない。物語とは関係ないがそれぞれのエピソードが語られる。
カリスマ外科医の佐伯の手術の道具に特注の黒いペアン(これが何かはいまいち分からないが、止血に用いる金属の鉗子のようである)があった。殺人事件はないものの、相変わらず医療における問題を取り上げた作品。ドラマとしても非常に面白かった。
ファンならぜひ読むべし。

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

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