悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

サウスポー・キラー 水原秀策

今までに読んだことのないタイプの内容だった。
主人公がプロ野球人気球団の左投手。
ずば抜けた実力で、破天荒はキャラというのならありがちだが、プロの選手としては珍しいタイプに見える。
ただ、読み進めていくに連れ、主人公がやはりプロとして特別な能力を授かった人間だということがわかる。
決して野球人としてはエリートコースを歩んだわけではない主人公の沢村。
左腕投手ばかりがトレードに出されるという人気球団オリオールズ
オリオールズと放っているが、背景からジャイアンツであることは誰でもわかる。
だから監督も葛城ではなく長嶋なんだろうな。オーナーはもちろん波多田ではなくナベツネ
冷静沈着な主人公は誰だろう?と想像してしまうが、当てはまるようなモデルはいない。
職人肌の投手で、いかなる状況にも冷静に判断出来る能力を持っている。
女優黒坂美鈴とのロマンスも気になるが、最後が描かれていない。きっとハッピーエンドなんだろ。
野球人としての一流である沢村と、そのライバルの高木。
彼は野球人でも何でもないが、プロという意味では主人公と最も近い感覚を持っているんだろう。
そういった点からはオリオールズの各ピッチャーは添え物でしかない。
まあ、最後に重要な役割を果たすが。

野球好きでミステリーが好きなら是非読んだらいかがかなと思う。
おすすめである。

サウスポー・キラー (宝島社文庫)

サウスポー・キラー (宝島社文庫)

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