悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

用心棒 黒澤明

荒野の用心棒というクリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタンが好きで、何度も視聴しています。
しかし考えてみれば、この映画はパクリでありまして、大ヒットした後に東宝に訴えられてしまいます。
イタリアの映画監督であったセルジオ・レオーネは日本の映画「用心棒」を見て、痛く感激し、これをリメイクして西部劇を作ることを考えました。
それが「荒野の用心棒」でこの作品は瞬く間に注目され、世界的にも有名になります。
当然そうなると東宝の関係者も黙っておられず、これは盗作だ!という訴えを起こしたわけですね。
その結果盗作であることは明白となりましたが、「荒野の用心棒」がとても面白い、ある意味元である「用心棒」よりも面白いと評する人も多いのです。

かくいう私も「荒野の用心棒」ファンですから、面白いということはわかっています。
でも考えてみればこれまで黒澤明監督の「用心棒」は初めからちゃんと見たことはなかったなあ、と思っていたのです。
どこかのワンシーンとかは見たことがありますが、全体を通して見たことがない。
それなら一度見てみようと思ったのでした。



映画の概要

監督 黒澤明

脚本 黒澤明菊島隆三

製作国 日本

製作年 1961年

製作費 9087万円

興行収入 3億5100万円

上映時間 110分

登場人物

桑畑三十郎 三船敏郎

居酒屋権爺 東野英治郎

清兵衛 河津清三郎

清兵衛の妻おりん 山田五十鈴

清兵衛の息子与一郎 太刀川寛 

新田の丑寅 山茶花究

新田の亥之吉 加東大介

新田の卯之助 仲代達矢

造酒屋徳右衛門 志村喬

百姓の妻ぬい 司葉子

丑寅の用心棒かんぬき 羅生門綱五郎

 

 

あらすじ

浪人がふらりと寂れた宿場町に立ち寄ります。
そこでは賭場の元締である清兵衛一家とそれに対抗する新田の丑寅一味との対立が続いており、ヤクザものをそれぞれ多く抱えて血なまぐさい争いを起こしていました。
お金もない浪人が立ち寄った居酒屋では無愛想な権爺がこの町の荒廃ぶりを嘆き、飯を食ったらさっさと立ち去れと告げます。
浪人は腕に覚えがあり、彼らを壊滅させてやるつもりだというのです。
もちろん一人で全部を相手にするわけではなく、酒を飲みながら考えようではないかといいます。

浪人は自分の腕前を披露します。
3人の無法者共たちが凄んできますが、全く動じず、あっという間に切り従えてしまいます。

清兵衛は彼の腕を見てすぐに抱えようとします。
名を聞かれた際には表の桑畑を見てとっさに桑畑三十郎といいます。
そしてもうすぐ四十郎になるとも。
なんとか陣営に引き入れたい清兵衛は、前金として25両。
丑寅との抗争の決着がついたら残りの25両の50両という金額でした。
その大金をくれてやるのが惜しいと考えたのが清兵衛の妻おりん。
彼女は女郎屋も経営しており、夫の清兵衛よりも着物座った女性でした。
その内容を盗み聞きした浪人は、丑寅一味との抗争を前にして、前金を叩き返して、高みの見物をきめこみました。

そして八州廻りという役人がやってくることになり、お互いの抗争は一時休戦となります。
隣村で役人が殺されたことを聞きつけ、八州廻りはこの町から離れます。
そして丑寅一味には切れ者の末弟卯之助が帰ってきます。
彼の懐には回転式銃がありました。
卯之助の働きにより両陣営は手打ちとなります。
2つの勢力を争わせて共倒れを狙った三十郎の計画は崩れます。
ところが居酒屋で愚痴をこぼすヤクザものの言葉を聞き、隣町での役人殺しは丑寅の差し金出会ったことがわかります。
三十郎はヤクザものを拉致し、清兵衛に売り渡すのでした。
清兵衛医の息子の与一郎は逆に丑寅に拉致され、それぞれ人質交換となりますが、卯之吉はその場で実行犯であるヤクザものを拳銃で射殺します。
それに対して清兵衛側は、丑寅の後ろ盾である造り酒屋の徳右衛門の情婦である百姓の妻ぬいを拉致して対抗します。
人質交換が終わりますが、罪のない百姓の妻ぬいとその家族、夫と幼い子供を見て、三十郎は考えます。
三十郎は丑寅の味方になり、油断させます。
そして頭の足りない丑寅の弟、亥之吉を騙して、匿われているぬいを助け出しました。
両陣営は互いに激しい抗争に発展します。
居酒屋の権爺は三十郎の人柄に大変喜びました。
そしてぬいたち夫婦からの感謝の手紙を渡します。
そこにやってきたのが丑寅の一味。
三十郎は連れ去られ、ぬいの居場所を吐かせるために拷問を受けます。
刀があれば無双の強さを発揮する三十郎ですが、巨漢のかんぬきには歯が立ちません。
彼は立てないほどの状態でしたが、僅かなスキを見つけて脱走します。
彼は体の回復をまちながらも、包丁を投げる訓練をします。
丑寅一味は三十郎を匿っているのが清兵衛たちだと考え、彼らの家に火をつけ、ついには清兵衛、妻のおりん、息子の与一郎ともども惨殺してしまいます。
この町は丑寅の町となってしまい、ついに居酒屋の権爺が捕まってしまいます。
三十郎は包丁と棺桶屋からもらった刀をもって丑寅一味と対決することになります。

感想

「荒野の用心棒」はこのオリジナルの「用心棒」の盗作というか、まるっきりコピーと言って良い作品です。

最初から通してみるのははじめてですが、見ごたえがありました。
モノクロですが、映像はきれいというか、雰囲気があります。
からっ風を表現しているのか、常に風が舞っています。
居酒屋の窓から見る外のならず者たちの狼藉ぶりなどのシーンも細かく計算されて見せているんですね。
セリフは不要。
映像を見ればわかる。
これぞ映画の表現なのでしょう。

からっ風と言えば上州。
そしてカカア天下ですよね。
清兵衛の妻のおりんは強烈なカカア天下でしたね。
後に仕事人シリーズで三味線おりくですが、気の強い女性は当時からハマっていたのでしょうね。

悪そうな面構えのおりんを演じる山田五十鈴さん

後の名優たちがこの映画では端役で出演しています。

丑寅に雇われていたヤクザの熊には西村晃さん。
水戸黄門東野英治郎さんが私の中で存在感が大きいのですが、西村晃さんも演じていますよね。
この映画には二人の黄門様がいるんですよね。

浪人の三船敏郎さんと居酒屋権爺の東野英治郎さん


熊の相棒で口が軽くて切られてしまう瘤八役には加藤武さん。
金田一シリーズでは「よしわかった!」というセリフでいつも犯人を勘違いしていましたよね。

丑寅の弟(加東大介さん)を挟んで西村晃さんと加藤武さん


清兵衛の子分のヤクザものが天本英世さん。
仮面ライダー死神博士ですよね。

序盤のシーンでヤクザものとして片腕を切り落とされる役のジェリー藤尾さん。
他にも夏木陽介さんも出演していましたね。

ものすごく印象に残ったのが巨漢のかんぬきという丑寅の子分。
刀ではなく木槌を振り回すというパワーファイターです。
もっとも三十郎をぶっ飛ばしたりするのは素手での闘い。
演じていた羅生門綱五郎さんは、元力士、そしてその後はプロレスラーらしく、映像を見ていても同じ人間とは思えないほど大きな体です。
そして独特の風貌。
彼のタイプなら誰もが思うのが、「フランケンシュタイン」の役なのですが、やはり演じていたみたいです。
テレビドラマの鉄腕アトムフランケンシュタイン役を演じていたたそうです。
もうそのまんまです。
フランケンシュタインにしか見えません。


政治家の悪口は言いたくないのだが

エリザベス女王がお亡くなりになり、イギリスでは国葬ということで多くの人が女王に弔意を示しています。
国を挙げての国葬ということがわかります。
同じ国葬でも違いがありすぎて比較できませんが、政治の道具としてさっさと「国葬」と決めてしまった現政権。
やることなすことすべてが頓珍漢ですよね。

つい先日、日曜日の出勤前に日曜報道Theプライムという番組をちらっと見ておりました。
国葬について、橋下徹さんや内閣官房副長官内閣総理大臣補佐官(仰々しい肩書だな)の木原誠二さんがそれらについて説明していました。

木原誠二さんという方は岸田内閣の懐刀とか書かれていましたが、そういう人物には見えませんでした。
目が泳いでいるというか、ビビっているというか、挙動不審に見えました。
何よりも立場から言うと、もっと堂々と物を言うべきでしょう。
語尾が全く聞こえず、ボソボソと喋っていましたね。
自信なさげです。
本来は、そんなタイプじゃないと思うんですけどね。

今更ながらに色々とググってみると、出てきますよね。

ガーシーこと東谷義和さんのことは好きではないです。
いや、嫌いです。
なんでこんなのが国会議員なんだと思います。
ガラが悪すぎますよね。

しかし、ガーシーに批判を受けているこの木原誠二さんも相当評判が悪い人物です。
というのもガーシーがつまらないスキャンダルをまき散らかしているだけならどうでもいいのですが、あの幻冬舎の社長である見城徹さんが、ボロクソに言っています。

その批判が凄まじくて、議員であるとか以前に、人として終わっていると。

これ以上痛烈な批判はないと思いますね。

ともあれ、この木原誠二議員はものすごいエリートです。
東大法学部から財務省(大蔵省)に入り、その後政治家に転身ですからね。
それはもう頭の良い方なのでしょう。

そういう方にしてみれば、自分以外の人間は優れているはずもなく、どこか見下しているんですね。
そういうふうに見えます。


昨年週刊誌に愛人、隠し子報道が出たときに言った言葉も誠意がないですよね。
プライベートな事なので、法律は犯していない、なんてね。
たしかにプライベートな事ですけどね。
それがコロナで自粛を求めていた時期に、若いグラビアアイドルみたいな女性を集めてのカラオケ・パーティとか、暇なんですかね?官房副長官内閣総理大臣補佐官ってのは?
それとも自分は特別に賢いし偉いので、何をやっても許されると思っているのでしょうかね。

人として終わっていると言うのはこういうところにも出ているんだと思いますね。

笑えるのは、自分のボスすらバカにしているところですね。
ありえないことです。
女性が好きで色々なところで吹聴しているようですが、「岸田は俺の言いなりだ」とかね。

人として終わっています。

それにしても岸田政権はボロボロです。
頼りにしているホープからもバカにされ、やることなすこと裏目ばかり。
国葬で支持率アップを狙ったけれど、殺された真相が明るみに出ると統一教会とのズブズブの関係が表に出ていますが、未だに終息させる事もできません。

国民の生活は止まらぬ物価高に対して無策。
5万円をばらまくという下策しか思いつかないようですね。

いや、多分もっとまともなことはわかっているはずですが、調整型の岸田内閣では大胆なことはできないのでしょう。
統一教会との関係もすっぱり切ることもできませんし、安倍元首相のモリカケサクラのこともウヤムヤです。

物価高はロシア、ウクライナの外的な要因があるにせよ、円安を止められません。

でたらめなことばかりをやってきたツケが岸田政権に回ってきたと言えなくもないですが、なりたかったからなったというのではなく、なったからにはしっかりと仕事をしてもらいたいです。
順送りでなれた、なんで俺だけがと少しでも思っているのであれば、さっさと辞めたほうが良いと思いますね。

それにしても次に総理をする人はだれなんでしょうかね。

統一教会問題で、「それのどこに問題が?」ととぼけた一言で国民から総スカンを食らった3代目ボンボンもいましたね。
この福田家の3代も迷言の多い家計なのでしょうかね。
最も優秀とされる福田赳夫元総理は「一人の命は地球より重い」という言葉がありました。
この言葉には賛否ありますので、控えておきます。
そしてその息子の福田康夫元総理大臣は「あなたと違うんです」という迷言がありましたね。
自分の総理退陣表明でまるで他人事のように述べ、それに対して、福田康夫元首相は「自分は客観的に自分を見ることができる。あなたと違うんです」と述べました。
そして問題意識のなさ、危機意識のなさを露呈した、現在若手のホープ、将来の首相とまで噂されていた福田達夫前総務会長ですね。
もうサラブレッドとかいらないですから。
政治家に血統は関係ないです。
血統があればあるほど、しがらみに縛られてまともな改革もできません。

平成の30年間は、はじめにバブルがあり、それが弾けたあとはひたすらそれの後始末でした。
ちょっと並べてみましょう
敬称略
宇野宗佑
海部俊樹
宮澤喜一
細川護熙
羽田孜
村山富市
橋本龍太郎
小渕恵三
森喜朗
小泉純一郎
安倍晋三
福田康夫
麻生太郎
鳩山由紀夫
菅直人
野田佳彦
安倍晋三
17人もいるんですね。
そのうち、安倍さんは2回なっていますから、16人ですかね。
安倍さんと小泉さんは長かったですが、ほかはすべて短命ですね。

特に宇野宗佑さん、女性の指を3本ってありましたね。
あまりに短命過ぎていつもクイズなんかに出題されますよね。
69日です。

海部俊樹さんは、総理になれたのはリクルート事件などで大物議員が謹慎中の隙間にできた内閣。
やはり基盤が弱くて、その後は海部おろしという自民党内の倒内閣運動によって退陣に追い込まれます。
マスコミの力が政治を上回る様になってきた時期かもしれません。

自ら秀才を自認するような大蔵省出身の宮澤喜一さん。
72歳という高齢での総理大臣でした。
竹下登氏、安倍晋太郎氏とともにニューリーダーと呼ばれていましたね。

細川護熙さんはあの熊本藩主細川家の18代目。
彼の作った日本新党は躍進し、自民党政権から政権が移りました。
新党さきがけ新生党とともに大連立政権となりました。
政治改革ということがテーマでしたが、政権を支える先駆けの竹村代表と新進党の剛腕小沢さんとの犬猿の仲が原因で空中分解しましたね。

連立政権の最大数であった新生党の党首出会った羽田さんがなりましたが、彼も短命内閣です。
宇野さんと羽田さんはどちらが短命政権?とか言うクイズも多かったです。
正解は羽田政権の64日間のほうが短いのです。

自民党は奥の手を使って政権を取り返します。
そのためになんと社会党との連立政権。
その条件として総理の椅子を差し出したのが村山政権ですね。
労働組合の人間で、とても総理という雰囲気も力もなかったですね。
自民党も政権を奪うためなら何でもありで、イデオロギーとか関係なかったんですね。

その後は自民党政権に戻り、社会党は自然消滅への道を歩みます。
自民とくっついて、できなくなったから放り投げたという印象しかなかった社会党自然淘汰されてしまいましたね。

自民に戻ってからは面白くないというか、総理の椅子は順番待ちみたいなものです。
橋本龍太郎さんが、まずは座りました。
バブル崩壊後、ようやく日本経済にも日差しが見えてきた頃に消費税増税を実施し、日本経済は大失速し、その後の長期にわたる不況時代に突入します。

小渕恵三さんが首相に。
調整型の人間、人柄の小渕、海外では冷めたピザとか呼ばれたりも。
公明党と連立政権を樹立したのもこの時期でした。
個人的には悪魔に魂を渡した自民はこの時点で終わったと思います。
その前の社会党との連立は、社会党が魂を売り渡した瞬間でしょう。

森喜朗さんは小渕さんの突然死の後、総理大臣になりました。
もともと総理大臣という器でもなく、本人も自覚している通り頭も悪い人物です。
なぜこんな人が総理になれたのか不思議でなりません。
失言が多く、あげだしたらきりがありませんが、一番気に入っているのがIT(アイティー)をイットと読んだことですかね。
こんな人物ですから、支持率も超低空飛行でしたね。
史上最も尊敬されていない(バカにされた)総理大臣だと思いますね。


その後は小泉純一郎さんが首相に。
マスコミをうまく使い、人気を取るのが上手だったのか、イメージ戦略は成功。
郵政民営化こそが改革だというまやかしにまんまとやられてしまいましたね。
痛みを伴う改革だとかうまいことを言うのですが、痛みを伴ったのは国民ばかりでした。
竹中平蔵さんという現在も嫌われまくっている御用学者をブレーンにし、非正規雇用を定着。
氷河期を生んだのはこの時代ではないでしょうかね。
人気はあって、多くの小泉チルドレンというわけのわからない政治家タレントを輩出。
天性の詐欺師かもしれません。

そして安倍さんの1回目。
ものすごく短命で、体調不良で投げ出したというイメージでした。
色々と問題があった中で引き受けた総理大臣だったわけで、あんなに簡単にやめて良いのか?と思ったものです。

安倍さんが辞めた後は福田康夫さんが総理大臣になりました。
すでにナンバー2というイメージがありましたので違和感はありませんでした。
期待感はあったのですが、あんなに簡単に辞めてしまうというのがびっくりでした。
なんというか政権を簡単に投げ出すというのがトレンドになっていた時代なのかもしれません。

小泉さんも安倍さんも福田さんもすべてボンボンの世襲議員ですが、この後の麻生太郎さんほどボンボンという言葉が似合う人もいないかもしれません。
大政治家を何人も先祖に持ち、皇族とも親戚関係、もちろんお金持ち。
何でもかんでも持っている人で持っていないものといえば、苦労。
この人も森さんと変わらず失言癖のあるお方。
印象に残っているのはカップラーメンが400円くらいという発言。

こんないい加減な内閣ばかりが続くと国民も自民党いいかげんにしろよ!となるわけで、それならいっぺん野党にやらせてみようやという機運が高まり、政権奪取したのが、新生党改め民主党

そして鳩山由紀夫さんが総理大臣になりました。
宇宙人と言われるくらい普通の人とはかけ離れた感覚の持ち主で、数々の問題発言、行動がありました。
日本列島は日本人だけのものではないという発言などはありえません。
国益という言葉をわかっていないのでしょう。
彼の言う友愛とはなんぞや?と思いますね。

その後総理大臣になった菅直人さんもひどかったです。
イメージだけで有名(薬害エイズかいわれ大根)になって、やっていることは国民を裏切ることばかりでした。
消費税増税法人税減税。
もうこの頃も財界との癒着はひどかったのかもしれませんね。
菅直人さんのイメージを更に叩き落としたのが東日本大震災原発事故ですね。

民主党は政権を維持するのが難しい状況でジリ貧。
そんな中誕生したのが野田佳彦政権。
消費税増税を打ち出し、非自民政権にとどめを刺した形となりました。

そして自民に政権が帰ってきます。
安倍さん2度めの総理大臣となりました。
最低の民主党政権時代を目の当たりにした国民は、やっぱり自民党という意見が大半でした。
それだけ民主はひどかったんです。
政治の運営ができない素人集団ということもあります。
首長である鳩山氏、菅氏、野田氏がひどすぎたということもあります。
また政権といえども連立で不安定。
更に与党内での派閥争いで、自民がやっていることと変わらん、もしくはそれ以上にひどいという有様でした。
やっとまともな政府に戻る、安倍政権に期待が集まりました。
アベノミクスによって株価は次第に上昇し始めます。
安倍さんの評価は当然上がり、株価が上がり、会社が儲かるようになれば、働いている人たちにもその果実が与えられると信じていたのです。
ところが、果実はすべて富める人たちのもとへ集まる仕組み。
長年に渡る政権運営でたるんだ政治家たち。
それが今なのでしょう。

長々と不満を書き連ねてみましたが、虚しいですね。







 

グラスホッパー 伊坂幸太郎さんの本と映画

伊坂幸太郎さんの本を先日読んだ影響で、こちらを再度読んで見ることになりました。
3人の殺し屋が出てくる物語で、軽いタッチで行われるのですが、結構残忍なシーンもあります。

 

2010年に読んでいました。
なので12年前。
かなり忘れていて当然かも知れません。

tails-of-devil.hatenablog.com

 

ちなみにこの本を読んだ後、映画があることを知り、映画も見てみました。
原作(本)とは若干違いますが、雰囲気は出ていますし、エンディングも違いはあれど、アレはアレで良かったと思っています。

 

登場人物

鈴木
この物語の一応は主人公。
元高校教師。

鈴木の妻。
すでに事故でこの世にいない存在。
ホテルのレストランでバイキング料理を真面目に戦っているところで鈴木と知り合う。
ポジティブな女性。

比与子
フロイラインという会社の幹部女性。
色白で一重まぶた。

寺原
フロイラインをはじめ、非合法な仕事を行っている裏稼業の大物。
色んなところとつながっており、法に触れることをしても罪に問われない存在。


殺し屋1。
190センチ95キロの巨漢。
しかも人を自殺に追い込むという特殊能力を持つ。
罪と罰の本が唯一読む本。


殺し屋2。
かなり若く痩身。
ナイフを使う。
若造で強そうには見えないが、しなやかで素早い動きを身上とし、腕は確か。
名前の通りうるさい。

槿(あさがお)
殺し屋3。
ターゲットを押して車に轢かせて殺すという人物。
押し屋と呼ばれ、謎に包まれている。

岩西
蝉に仕事をやらせている。
蝉と岩西は常にニコイチで、仕事を持ってきて指示をするのが岩西。
そして実際に行動するのは蝉の役割。



 

あらすじ

鈴木は高校の教師でしたが、愛する妻を失い、その原因となる人物、寺原の息子に近づくために、寺原の非合法な会社フロイラインに入ります。
新人教育を兼ね、鈴木を見定めるために幹部社員の比与子は鈴木に悪事の実行を命じます。
若い男女を眠らせ、体を拘束して監禁します。
善良な鈴木が悪に手を染める事ができるかどうかを見定めているようです。
そんな中、妻が死んだ原因の人物、つまり鈴木にとっては復讐のターゲットである寺原の息子が眼の前で交通事故にあいます。
状況的に即死。
生きている可能性はありません。
殺したのは「押し屋」と呼ばれる殺し屋で、比与子の命令で鈴木は押し屋の後を追いかけます。

鯨と呼ばれる巨漢の殺し屋は裏稼業ではかなり有名な存在です。
殺し屋としては完璧な仕事をこなします。
殺すのではなく、自殺をさせるのです。
鯨止めを合わせた人間は生きる力を失い、自殺へと向かうのでした。
今日もまた一人大物政治家の秘書ヲ自殺に追い込む仕事を請け負い、確実に仕事を終えます。
その仕事を依頼した政治家は小心者で猜疑心の塊でした。
鯨を殺そうと別の殺し屋に鯨の殺害を依頼します。
殺し屋としては圧倒的な存在である鯨ですが、彼の周りには殺した人物がつきまといます。
彼の心は蝕まれているのです。

蝉はナイフを使った殺しをします。
一家全員皆殺しなど他の殺し屋がやりたくないような仕事でもやり抜くのです。
もっともこれらの仕事をもってくるのは相棒の岩西です。
岩西と蝉の二人しかいない組織であり、殺し屋としては名を挙げていくためにも何でもこなしていく必要があったのです。
蝉はホームレスに火をつけた息子を持つ一家を全員切り刻んで殺害します。
休みまもなく岩西から次の殺しの依頼を受けるのですが、彼はいつも不満でした。
岩西は仕事をとってくるだけで、実行するのは常に自分。
岩西がいなくても自分一人でやっていけると思っているのです。

鈴木は比与子の命令とは言え、押し屋かどうかをきちんと確認する必要がありました。
寺西は自分の息子が殺されたことに怒りを爆発させ、すぐに押し屋を探し出して抹殺するというのでした。
押し屋で寺原の息子を殺したのであれば、自分の復讐の相手を奪われたことになります。
その一方で殺してくれた感謝すべき相手なのかもしれません。
鈴木は押し屋の家を突き止め、家庭教師の営業としてその家に入り、押し屋と思われる男に話しかけます。
男は槿(あさがお)と名乗ります。
彼には女子大生にしか見えない若い妻と二人の男の子がいました。

亡霊につきまとわれる鯨。
鯨に前日、殺しを依頼した政治家は鯨に面会を申し出ます。
その理由は彼をおびき寄せ、新たに依頼した殺し屋に彼を殺してもらうためでした。
依頼した殺し屋のエージェントは岩西。
つまりは蝉が鯨を殺す事になっていました。

蝉は遅刻し、現場に到着したときには、鯨の姿はなく、依頼者である政治家の首吊りしたいがそこにありました。

3人の殺し屋はどうなるのか。
またフロイラインという違法な会社の親玉である寺西は?

感想

妻の命を奪われた復習のために教師をやめて怪しい会社に入った鈴木。
その鈴木を中心として3人の凄腕の殺し屋が交差する群像劇です。
3人の視点から描かれるため、時系列がややこしくなりますが、ほぼ同時進行しているのです。
バラバラに語られながらも一つに収束していくという伊坂幸太郎さんお得意の小説ですね。
色んな話が最終的に伏線回収しながらも一つの線となっていきます。

小説を読んでから映画を見ましたので、映画もわかりやすかったです。
ただ、映画と小説では少し違いもあります。

たとえば、この物語の冒頭に主人公鈴木に拉致されるカップルですが、映画では一人です。
そして本当に終盤に彼らは脇役から一躍表に飛び出してこの物語を締めくくる存在となります。


映画では、鈴木を演じるのが生田斗真さん。
似合っています。
そしてその妻には波瑠さんが演じています。
悪人寺原は石橋蓮司さんが、やはりいい味を出しています。
そして鯨には浅野忠信さんが演じています。
体格的にこれはちょっと違うだろう?と思っていましたが、流石に雰囲気のある俳優さんで、なじんできます。
目の奥にあるくらい底なし沼のような空洞が彼が演じることで本当にひそんでいるような気になります。
存在感のある俳優さんですよね。
ナイフキッズの蝉を演じたのがアイドル山田涼介さん。
ナヨナヨしたイメージはなく、軽いものの、冷徹な雰囲気をまとっていつつ、しじみの呼吸が見て癒されるというキャラを良く出していると思います。
残念だったのが「押し屋」の吉岡秀隆さん。
原作では鈴木との絡みがあって、もっと存在感があるのですが、なんとなく出番が少なくて残念な感じでした。
どの殺し屋の役も伊坂幸太郎ワールドが頭の中にある読者に対して満足する像を演じることは難しいでしょう。
その中でもはっきりしている蝉はまだしも、押し屋のキャラクターは原作を読んだ読者でも今ひとつ掴みきれないところがあるため、難しいのかな?とも思ってしまいます。

映画では妻とのシーンがふんだんにあります。
原作では、出会いのときのバイキングでの食事などはあるものの、あの世から語りかけられるような言葉としての内容が多かったです。
映画ではなくなったシーンも映像化しています。
でも原作にないこのエンディングのための仕掛であったと最後に納得できました。
原作はもちろん良かったのですが、映画はまた別の楽しみ方があるということですね。

 

ちなみにこのグラスホッパーの続編がマリアビートルで、マリアビートルを原作としている映画が今上映中の「ブレット・トレイン」ブラット・ピット主演の作品ですね。

 

 

 

 

 

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