悪魔の尻尾

50代から60代へ~まだあきらめない

高校野球論 弱者のための勝負哲学 野村克也

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お亡くなりになりましたが、南海ホークス時代からファンだった野村克也さんの本です。

これまでに何冊か読んでいますが、いずれも読みやすくて、楽しめています。

 

 

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第1章 人はなぜ高校野球に魅せられるのか

高校野球の魅力を野村さんの言葉で語っています。
よくある内容ですが、プロの選手としても一流であり、監督としても多大な実績を残した野村さんは、地域密着、郷土愛あふれる高校野球に一つの魅力があると言っています。
甲子園にすむ魔物とは?という点も、野球人としてのみならず、長年の人生経験も踏まえた上で解説しています。

そしてプロとの違いは、トーナメントで負けたら終わりという点。
優勝したチーム以外はすべて敗者という言葉にも深い意味を感じました。
人生も同じで、勝ち続ける人生なんてものはない、むしろほとんどの人は負けることのほうが多いハズで、何でも負けることからスタートしているということです。
高校野球では、勝者を讃える一方で、敗者にも温かい拍手を送ります。
負けから学ぶことは多いのですね。

第2章 私の高校野球

野村さんも高校時代がありました。
父を早くに亡くし、母親に育てられた極貧な家庭環境で、高校で野球をやるのも反対されていたと言います。
貧しい家庭の中、母親からは中学を卒業したらすぐに働いてくれと言われたそうです。

時代は太平洋戦争時代。
戦争が終わり、平和の幸せさを実感したといいます。

野球が好きで、プロ野球選手になるのが夢。
プロ野球選手になって稼ぎ、母を楽にしてあげたかったと言います。
ところが、京都の峰山という山奥の高校で、野球部の存続自体が危ぶまれるほどの高校でした。

 

存続の危うい弱小高校にあって、野村少年は色々と知恵を絞って野球部を続けました。
コーチもいない野球部に、後に恩師となる清水先生との出会いがありました。
野球の指導は全くありませんでしたが、「人間的成長なくして、技術的進歩なし」という言葉を言われていて、野村さんが後年、若い世代によく使う言葉となっています。

この清水先生が推薦状を書いてくれました。
しかも毛筆で、普通のファンレターに紛れない工夫をされたと言います。
目に止まって、見に来てくれたのが南海の鶴岡一人監督でした。
テスト生を毎年受け付けているので、テストを受けさせてはどうかと言われたらしいです。
ところが当時の野村少年には大阪まで行く旅費がない。
清水先生に立て替えてもらったと言います。

第3章 弱小校が強豪校に勝つために

貧乏、弱小チーム。
野村克也さんは野球選手としては、アマチュア時代には全く実績がありません。
田舎のチームでは抜きん出た選手だったのですが、いかんせん、その能力を評価できる舞台はありませんでした。
コーチも監督もおらず、代理で立てた顧問の先生は、人間教育はしてくれても、野球は完全な素人。
練習も全て自分たちで考えて行ったと言います。
強豪チームではなく、弱小チームで工夫することを肌身で感じてきた野村少年は、これらの経験が後に行きてきます。

高校野球ファンとして、弱小校の監督ならどうするかということも書かれています。

第4章 こんな怪物がいた

ここからは高校野球史に残る名選手などの紹介になります。
偉大なる選手たち、のちのプロ野球界で燦然と輝くスターもいます。


ホームラン王を独占し続けた偉大なる王貞治選手。
彼も高校野球ですでに大スターでした。
優勝投手です。
ノーヒットノーランも記録しています。
もちろん甲子園でホームランも打っています。
早稲田実業を野球の名門にし、プロ野球を国民的なスポーツとした大選手。

1年生のときから名門浪商のエースとなり、甲子園出場。
2年の夏に優勝し、その年の秋に高校を中退し、プロ野球に入った尾崎行雄投手。
唸りを上げる豪速球で、プロ1年目で20勝を上げ、新人王。
中退していなければ高校3年生の少年であるわけですから、それがプロでいきなり20勝ですから、凄いものです。
怪童とは尾崎投手のような人を言うのでしょう。
リーグが違うために、印象に残っていないのですが、同様のタイプとして、徳島商板東英二投手を上げています。
初の延長18回引き分け再試合となった試合も含めて決勝までで83奪三振は未だに破られていない甲子園の記録です。

栃木作新学院江川卓投手も伝説級のピッチャーですね。
残念ながら高校時代の江川さんはギリギリ知らないのです。
私が高校野球を見るようになったのは東海大相模原辰徳さんの時代。
野球のルールなども覚えて、草野球も楽しかった時代です。
江川卓さんも素晴らしいピッチャーですが、全盛期は高校時代という人が多数います。
手足も出ないとは、彼のようなピッチャーを言うのでしょう。
大昔ならいざしらず、高校野球も強豪チームが本格的な練習をするようになってきた時代です。
そんな中で栃木予選で3試合連続のノーヒットノーランとかありえません。
甲子園出場は果たしますが、これだけの力を持つ投手でありながら、江川投手は頂点に立つことができませんでした。


優れた才能を持っていた清原和博選手。
強豪PL学園で1年生のときから4番に座り、恵まれた体格で放つ長距離砲というだけでなく、しなやかな体の使い方で技術も高かった選手です。
それだけに野村さんは無冠の帝王で終わってしまった彼を残念に思っています。

一方その後に登場した左の大砲、松井秀喜選手。
彼も1年生のときから頭角を現し、高校生の中にひとりプロが混じっていると形容されるほどの選手でした。
5打席連続敬遠ということで社会的な問題にまで発展しましたが、今のようにインターネットがあれば、対戦相手の明徳義塾SNSなどでどれだけ叩かれていたのかわからないですね。
野村さんは、この敬遠策に対しては当然の作戦であったという立場で理解を示しています。

高校野球優勝投手で大成した人はあまりいないと言っています。
怪童尾崎投手はともかく、実働6年ほどの短命、太く短くでした。
優勝投手が打者となって長年活躍した選手は多いですね。
王貞治さんがその頂点でしょう。
なぜ優勝投手が投手として大成できないのか?という点に関して独特の切り口で話しをしてくれています。
必要な能力は「頭脳と感性」。
いやしくもプロとなった選手はいずれの選手も高いスキル、身体能力を持っています。
学生時代、特に高校野球では、対戦はほぼ一度限り。
力のあるボールを投げられる投手が、その力だけで相手を抑え込むことが可能でしょう。
しかし、プロ野球は何度も同じ相手と対戦することになります。
一度二度と抑え込むことができても、相手もプロとしてお金をもらって野球をやっている選手ですので、ヤラレっぱなしということはないのです。
なので相手が研究してきても更にそれを上回る工夫ができる選手、そういう能力を持っていないと長くは活躍できないといいます。
打たれたら、「なぜ打たれたのか?、どうすればいいのか?」を考えて、修正する能力を持っていないといけないのです。
そういった点で甲子園で5度出場し、2度の優勝投手となった桑田真澄投手を評価しています。



第5章 私が選ぶ甲子園名勝負

生で見た試合もあるが、古いものも結構知識として、知っていた試合が多いです。
名勝負と言われて色んな所で語り継がれていますね。
いくつか、簡単に紹介します。


報徳vs倉敷工 延長10回に6点を先取した倉敷工がその裏、報徳に7点とっての軌跡の逆転劇。
勝負は下駄を履くまでわからないと言われた大逆転劇でした。

松山商vs三沢 決勝戦での0-0での延長18回再試合。
翌日の再試合では甲子園のアイドルと言われた三沢のエース太田幸司投手は打たれて、負けました。
その後、甲子園には数々のアイドルが誕生しますね。
荒木大輔投手やハンカチ王子こと斎藤佑樹投手など、多くの女性ファンの黄色い声援が甲子園球場に響きました。
決勝での延長18回再試合というのは始めての事ですね。

箕島vs星稜
この試合は通してみることができなくて残念だったのです。
試合の一部を途中までは見ていたのですが、その後、塾へ行ってきて勉強。
自宅に帰ってきたら、両親が興奮気味に「すごい試合やったぞ」と。
確かにドラマチックとはこのことですね。
星稜が延長に入り勝ち越しますが、その裏二死走者なしに追い詰められた箕島がホームランで追いつくのです。
さらに再度星稜が勝ち越し点を奪った後の裏の攻撃。
やはり二死走者なしに追い詰められた箕島でした。
一塁ファールグラウンドに打ち上げられたフライで、万事休すと思われましたが、ファウルフライを追う一塁手が転倒してしまいます。
この年に改装された人工芝部分に足を取られての転倒でした。
休止に一生を得たバッターはホームランを放ち、同点に追いつきます。
その後の展開で延長18回の裏に箕島がタイムリーを放ちサヨナラ勝ちとなりました。
その後、石井、嶋田のバッテリーで春夏連覇を達成しましたね。
微糖監督が率いる公立高校ながら箕島高校は強かったです。




第6章 高校野球への提言

回数制限や球数制限の是非について述べられています。
確かに高校生の野球人としての将来を考えると、短期決戦の高校野球で酷使され、その後の野球人生を棒に振った人は多いでしょう。

野村さんはそれらの制限をすべきでないという立場ですね。
監督(指導者)と選手との信頼関係があれば、自ずとどうするべきかわかるというわけです。
ただ、プロ野球と同じく、高校野球も先発で投げきるというのではなく、中継ぎ、抑えと分業すべきだと言います。
現実にはちょっとむずかしいと思うのですけどね。
特に弱小高校には良い投手が複数いるのは厳しいでしょう。

またベンチ入り選手を増やせと提言しています。
プロと同じく25人までベンチ入りできるようにすればよいという考えですね。
現在は予選(地方大会)は20人までベンチ入り可能なようですが、甲子園では18人となっています。
私が子供の頃は確か14人でした。
不思議ですね。
9人で行う野球で、控え選手が少ないと、厳しいですよね。
投手ばかりを控え選手というわけにはいかないですからね。
強豪と言われたチームは部員が100名を超えることもザラにあります。
ユニフォームを着てスタンドで応援する姿もよく目にします。
でもベンチ入りの選手の数が増えるとやはり私学の強豪がますます有利で弱小の公立は厳しいと思うのですけどね。

一方オリンピックなどに採用されているタイブレークには野村さんは反対の立場ですね。
国際大会ではこのルールは日本にとって有利な気もしないでもないです。
特に今回のオリンピックではこのルールが味方したような気がします。
学生時代、特に高校野球時代に、バントやエンドラン、チームプレーを徹底的に叩き込まれている日本の野球は緻密です。
ですが、このルールは、やはり野球ではないという点であまり面白い制度ではないですね。
延長に入ったからといって、いきなりノーアウトランナー1.2塁で始めるというのは野球というスポーツとは違うと思うのですね。
打たれたり、四死球で出したランナーでもないのに、送りバントでワンナウト2・3塁となると、スクイズや外野フライで点を取られてしまいます。
打順の運もありますよね。

野球留学(他府県から)や特待生についてのご意見もあります。
大いに結構という立場のようです。
郷土愛という点ではどうなのか?とも思います。
駒大苫小牧の主力で楽天のエースからヤンキースで活躍した田中将大投手も伊丹出身です。
またダルビッシュ有投手も東北高校に進んでいますが、大阪羽曳野出身です。

金属バットは禁止すべきと野村さんの持論。
バッティングの技術が低下するということです。
確かに金属バットになって高校野球の質が変わったとも言われていますし、プロに行ってから木のバットとの違いで苦しむバッターも多いと言います。

それ以上に、プロとアマとの交流がないことが問題。
少しずつではありますが、垣根は低くなりつつあると思いますが、ココにも日本の既得権を守ろうとする力が働いているのではないかと睨んでいます。

 

第7章 プロ野球よ、高校野球に学べ

プロと比べると、その技術、スピード、パワーなど高校野球はアマチュアでとても稚拙なのになぜ観客を熱狂させるのか?

 

一生懸命であること、高校野球の最大の魅力はそこにある。
人間が最も美しく見える時、それはなにかにひたむきに打ち込んでいるときであろう。
そういう姿に、人は胸を打たれる、感動する。

そのとおりだと思いますね。
負けたら終わりの高校野球と違って、プロ野球は負けても次の試合があります。
ひたむきさが違います。
なので負けが濃厚な試合であっても、一試合一試合、全力を尽くして一生懸命プレイしなければならないと訴えています。

そしていやしくもプロであるなら、全力プレイの質も自ずと違うものであるべきだと。
技術的に一生懸命では足りない
野球というものの本質をしっかり理解した上で、全知全能を使って戦う姿こそプロのあるべき姿といいます。

ただ、力いっぱいボールを投げ、漫然と来たボールを打ち返す。
「投げ損じ、打ち損じ」を力対力の勝負、プロの勝負だと勘違いしているようにしかみえないといっています。

監督を始めとする指導者の勉強不足も高校野球に学ぶべきです。
監督、指導者は自分の経験を伝えればいいと思っている人が多いのです。
選手として実績を残した人が多く、貢献度や序列でなっている場合が多いのがプロの監督やコーチで、自分の成功体験を唯一の拠り所としています。
自分の経験だけを押し付けては、選手にはいい迷惑だと述べています。
プロ野球の監督やコーチはは、指導者として成長しようとする姿勢が低いといいます。
マチュアの指導者のほうが遥かに熱心で貪欲だと言いますね。

 

感想

今はなくなった野球の大好きな野村さんの本です。
こんなに高校野球が好きだったとは思っていませんでした。
長らくプロ野球の世界のおり、アマチュアとは別の世界の人でしたから。
機会があれば高校野球で指揮をとってみたいと書いてありましたが、その願いは叶わずです。
しかし、多くの人が野村克也さんの本や講演などを通じて、「野球とは」「投手とは」「打者とは」というように、教えを受けてきています。
ヤクルト時代の教え子、栗山、古田、池山、飯田、高津、宮本、稲葉(敬称略)など多くの選手が指導者として育っているのがその証拠です。
「名選手名監督にあらず」という言葉がありますが、一般社会でもそれは同じでしょう。
自分の成功体験というものを押し付けてしまうのでしょう。
そして部下を見て努力が足りない、物足りないと思ってしまうのです。
ああしろ、こうしろと細かく指示を出すことも必要ですが、自ら考えて行動するように仕向ける必要もあります。

そして、大切なのは人間教育。
「人間的成長なくして技術的進歩なし」であるのは野球だけではないでしょう。

 

堅苦しい本ではなく、高校野球の名勝負や「怪物」たちの話もたくさんあります。
私のようなオッサンにも懐かしさがあって楽しめますし、若い世代の方にも野球が好きなら楽しめます。

「甲子園熱球物語」という本を子供の頃読んだ思い出が蘇ってきました。
大昔の名選手などの知識もそれらから得たものが多かったです。
高校野球ファンというか野球好きな方なら、こういった本はいつ読んでも楽しめます。

 

一度死んでみた

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Amazonプライムビデオで見た映画です。

主人公の女子大生は就職せずに、デスメタルバンドで売り出したい。
その理由が父親嫌いということなんですが、最後は父と娘が仲良くなってハッピーエンドという王道。

 



タイトル通り、一度死んでしまうのですが、モチロンコメディ映画ならではです。

ツッコミどころはありすぎですが、面白ければそれでいいんじゃないかという映画です。
ただ、少し空回りしているのか、腹を抱えて笑えるというようなシーンはあまりなかったですね。

 


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あらすじ

仕事一筋で完全な理系脳である父親の野畑計ですが、子育てもかなり変わっっていました。
一人娘の七瀬は幼い頃はその父の影響を受けてすくすく育つのですが、母が亡くなってからは父を嫌うようになるのです。

野畑計は薬品会社を経営する社長。
かなりの変わり者で、愛妻が病院で息を引き取るときも研究室にこもっているのでした。
娘の七瀬はデスメタルバンドでボーカルをしており、一部の熱狂的なファンはいるものの、メジャーデビューするには実力不足との評価を受けています。
周りからは大学卒業とともに就職を薦められていますが、そういう人生には進みたくないようです。

野畑の会社は、若返る薬「ロミオ」を研究しており、ライバルの会社からはその技術を狙われています。
同時に一時的に死ねる薬「ジュリエット」も開発します。
あくまで一時的に死ぬだけで2日後には生き返る薬なのです。

野畑の会社は開発の能力はあるのですが、経営状況はあまり良くはありませんでした。
そんな中、ワトスン製薬というライバル会社からの合併話が持ち上がるのですが、社内に不穏な動きをするものがいると聞きつけます。

社内の経営にもかかわっているのは渡部が社長の野畑に「ジュリエット」を飲んで、一度死んでみることを提案します。
死んでみることで本当のスパイが見えてくるのでは?という提案でした。

渡部の提案を受けて、野畑は一旦死んでみることにしました。

渡部こそ、スパイそのもので、会社をワトスン製薬と合併することを画策しているのでした。

野畑の秘書である松岡は、渡部の不審な動きを察知しますが、すでに社長は「ジュリエット」を服用し、死んでいます。

生き返る2日後までに火葬してしまう計画。

野畑は肉体は死んでいるものの、三途の川はまだ渡りきっていません。
魂は肉体を離れ、

七瀬は突然の父の死に、ショックを受けるものの、未だ悪態をつきます。
しかし、心のなかではやはり父親を心配しているのでしょうか、彼女だけには霊となった父の姿が見えるのでした。

計は霊のため、会話はできませんでしたが、なんとかこの状況を脱するために娘に指示を出します。

火葬を急ぐ渡部たちと、それを防ごうと動く、娘の七瀬と秘書の松岡。

強引に火葬を行った渡部たちですが、斎場で炎の中から生還する野畑。
渡部たちの陰謀は暴かれ、野畑の会社は存続します。

そして七瀬も本当にやりたいことが見つかりました。
父のもとで薬品の開発に携わることになったのです。

感想

コメディですから、何でも許されるというところもありますが、ちょっとひどすぎる展開という気もしないでもないです。
こういうキャラクターにぴったりな堤真一さんを父親役に据え、主人公の七瀬を演じるのは広瀬すずさん。
可愛いキャラクターばかりを演じることが多いと思うのですが、デスメタルで父親を罵るというキャラクターでした。
爆笑するほどではないですが、すんなり楽しめる展開にはなっています。

細かいクスっと笑えるようなネタが豊富です。
ふざけすぎとも取れますけど、火葬場でのドタバタや葬儀場を予約できないから、デスメタルライブと葬儀を一緒くたにしたりとか、ハチャメチャです。

でも個人的に嬉しかったのはリリー・フランキーさんがあの世の案内人として出演していますが、役名が火野。
途中で「トントントントンヒノノニトン」と言いそうになって止められるシーンが有りました。
いすゞのトラックで歌っている大友康平さんも出演しているので、控えたんだろうか?とも思ってしまいますが、こういう下らないギャグが楽しいです。

社長が死んでも、社員は悲しまないどころか、遺体を安置しているのが食堂で、そのために昼食が取れなくてぼやいているとか、悲しすぎますwww。


こんな映画なのに、出演しているキャストが凄いです。
ほとんどが友情出演というか、カメオ出演というか、ほんのちょっとだけの出演ですが、そうそうたる人が出ています。

竹中直人さん、妻夫木聡さん、佐藤健さん、古田新太さん、城田優さん、池田エライザさんなど多くの有名人がこの映画に参加しています。
本当にワンシーンだけなんですけどね。

お金はかかっていない映画ですが、楽しめれば良いと思うのです。
邦画についてはあれこれ文句ばかり言っていますが、アイデア次第では面白い映画は作れるはずです。
堤真一さん主演の「俺はまだ本気出してないだけ」や「神様はバリにいる」などは、この系列のコメディ映画でしょう。
この2つと比べるとちょっと面白さに奥行きがなかったように思いますけどね。

 

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ただ、劇場に見に行きたいか?と言われると、わざわざ劇場で見たいとは思わないですね。

 


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政治のことはあまり書かないんだけど、菅首相辞意のニュースを受けて

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今更ながらにマスコミに踊らされる庶民を実感します。
マスコミが流すニュースは、菅首相に対するネガティブなものばかり。
菅おろしがひどかったと思うのですが、辞めると言ったら言ったで、この大変なときに責任放棄だと言い出す。
無責任はマスコミこそなんでしょうね。
まあ、そんなものかもしれません。

今になって思えば、このタイミングで首相を引き受けてやった1年間は、誰がやっても批判しかされないでしょう。

コロナウイルスの非常事態の中で、どのようにベストな選択をしたとしても、批判の種は尽きません。

そんな中で放り出したのは前首相の安倍さんだと思うのですが、今更言っても仕方がないです。

安倍さんが歴代首相の中で最長だったという記録を待つようにして、体調不良を理由に辞任しました。
長期政権でしたが、後年はひどかったですね。
説明責任を果たしたとは言えないと思います。

安倍さんが長期政権になれたことには、安倍さん政治家としての資質もあるでしょうが、なったタイミングも大きいと思います。
何よりも安倍さんを支えていたのが菅さんだったということも大きかったと思います。
良い女房役がいて、地盤が盤石な政治家エリート、そして対抗馬がいないことも大きいでしょう。

安倍政権が長期化した理由はまさに、前政権の反動が大きかったです。
民主党にやらせてみよう!」で民主党が政権を奪いますが、民主党というか、野党は政権を取ることが「ゴール」であって、ゴールを決めた後にすることは何もなかったのです。

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鳩山由紀夫さん、菅直人さん、野田佳彦さんと民主党政権が続きましたが、誰一人として日本のためになることはできませんでした。
10年前の民主党政権時代には、これからどうなるのか全く見えずに、不安しかありませんでしたね。

とはいえ、その前の自民党政権が良かったのか?と言われると、その前の自民党政権もかなりひどかったのです。

小泉元首相のあとは、1年毎に、安倍さん、福田さん、麻生さんとコロコロ変わっていました。

「もう自民はダメだ、民主にやらせてみよう!」

こういう流れを作り出したのは、やはりマスコミですし、それに踊らされたのは我々庶民なんですね。

小泉さんは人気があったのか、かなり長期政権でしたが、日本にとって良かったのかどうかは微妙です。
というのも、5年以上の長期政権にあって、日本の国力は全然上がっていないからです。

とはいえ、首相というのはなるタイミングや環境によって大分左右されます。
結果がすべてのビジネスの世界と同じで、好景気に沸いた時期に首相になれば、名宰相と言われることも可能でも、悪い時期になってしまうと、何をやっても批判され、まずいことになると総スカンを食らってしまいます。

現在の菅首相のタイミングは本当に気の毒だと思うのですね。
口下手というか、国民に対してわかりやすいメッセージを出しことなかったということも人気が上がらなかった原因の一つでしょう。

小泉さんは、メッセージがすごかった。
わかりやすいというか、明確でしたね。
自民党をぶっ壊す!」
「感動した!」
痛みを伴う改革
短い言葉だけれど、力強い言葉を持った人でした。

小泉さんの前にいたのが森さんです。
未だに正解にしがみついている「老害」の代表みたいな存在ですが、ITをイットとよんでしまうような古い人間で知性も感じられない人でした。
日本はダメだなと思わせるに十分。
でも首相はだったのは、たった1年なんですね。

森さんの前が、「平成」という年号を発表した当時の官房長官だった小渕さん。
田中真紀子氏に凡人と言われてみたりした人です。
小泉さんが変人と言われていましたが、それ以上に侮辱した言い方ですよね。
海外からは「冷めたピザ」なんて批判もありましたっけ。

更にその前には、現在の日本の低迷の原因を作った大戦犯とされる橋本さん。
バブルの後処理のあと、ようやく道筋がつき始めたところに増税、緊縮財政を持ってマイナス成長に入り、長引くデフレ原因を作ったのです。
そうそうにお亡くなりになりましたが、あのときのタイミングでやったことは今、明らかに失政であったと言われていますね。

その前はなんと、自民党社会党が連立を組むという超禁じ手政権でした。
労働組合のおじさんみたいな普通の人、村山さんでした。
村山談話なども今にして思えばひどい話です。
政治家個人としてどのような意見を持つのも自由ですが、日本の国の長であると考えるなら、不用意というか、安易というか、ありえないと思います。

しかし、並べてみるとものの見事に2世3世の方たちばかりですね。
そういう意味で菅さんは気の毒です。
強力な地盤を持たず、派閥もない。
あるのは実務的な能力で、そこが官房長官などの裏方としては適役だったのでしょう。
菅政権となって矢面に立つとなると、それを支える人がいませんでした。
その点も気の毒だと思いますね。

さて、このあとの首相には誰がなるのでしょうか。
誰がなっても同じと諦めていても仕方がないので、選挙には行きます。
投票は有権者の権利でもあり、民主主義としては義務だと思うのです。


 

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